バビロニア帝国には、その発展を支えた「黄金の法則」があります。
バビロニア帝国は、紀元前18世紀から現代のイラクに存在した王国。首都はバビロン、初代王はハンムラビ王。
「黄金の法則」は、単なる金儲けの話ではなく、古代バビロニアから続く金言です。
それは、お金を増やし、お金に縛られず、充実した人生を送ることができる人類不変の知恵。
これを理解することで、お金と幸せが舞い込みます。
黄金に愛される7つ道具
これから、無人島で生きようとする奴隷に、魚を与えても意味は無い。いくら魚を与えても食べ尽くせば、餓死してしまう。魚を釣る知恵を学べば、いずれ大きな資産となる。
これらが、黄金に愛される「7つ道具」です。
①収入の十分の一を貯蓄せよ
サラリーマンの生涯年収は、平均3億円と言われます。十分の一を貯蓄することができれば、老後資金として3000万円を残すことができます。
②欲望に優先順位をつけよ
優先順位の低い欲望を諦めても、生活水準はたいして変わらない。高級ブランドの時計や服を買うこと、高級店で食事をすることが本当に必要か考える。
総資産100万ドル以上の本当のお金持ちは、フェラーリの保有率は低く、靴や家具を修理して使い、中古住宅に住み、家族との時間を大切にします。
超富裕層のマイクロソフトのビル・ゲイツは、飛行機のエコノミークラスで移動し、フェイスブックのマーク・ザッカーバーグは、日本車のコンパクトカーで移動します。
③蓄えた金に働かせよ
貸金で利息を得る銀行業の起源は、バビロニアと言われます。
現代人ができることは、優秀な経営者に株式として投資すること、不動産に投資すること、己に投資しすることなど選択肢は多くあります。
普通預金に眠らせていても、お金は増えません。
④危険や天敵から金を堅守せよ
大きく儲けようとして、全財産を投げ打つことは愚策です。そして、儲け話に飛びついてはいけません。
その場合は、賢者に忠告を受けることです。ただし、知識の無い者にアドバイスを受けても、それは無意味です。
⑤より良きところに住め
安くて広い家に住めれば良いというものではありません。庭で遊ぶ子供達、妻が育てた花壇、己の職場までの距離。住居は幸せな生活と密接に関わっており、貯蓄を増やすモチベーションとなります。
⑥今日から未来の生活に備えよ
我が身が不自由になったり死んだ後に、家族に蓄えを残せるよう備えましょう。
現代の保険商品がその役割を担っていますが、不安に駆り立てられて不要な保険に加入していないか見極めましょう。
⑦自分こそを最大の資本にせよ
やるか、やらないか。決めるのは、自分自身です。
5つの黄金法則
7つの道具を更に昇華させた真理が、5つの黄金法則です。
①家族と自分の将来のために収入の十分の一以上を蓄える者の元には、黄金は自らを膨らませながら、喜んでやってくるだろう。
②黄金に稼げる勤め先を見つけてやり、持ち主が群れを膨大に増やす羊飼いのように賢明ならば、黄金は懸命に働くだろう。
③黄金の扱いに秀でた者の助言に熱心に耳を傾ける持ち主からは、黄金が離れることはないだろう。
④自分が理解していない商い、あるいは、黄金の防衛に秀でた者が否定する商いに投資をしてしまう持ち主からは、黄金は離れていくだろう。
⑤非現実的な利益を出そうとしたり、謀略家の甘い誘惑の言葉に乗ったり、己の未熟な経験を盲信したりする者からは、黄金は逃げることになるだろう。
バビロンの教えを現代に応用する
GAFAM(Google、Amazon、Facebook、Apple、Microsoft)などグローバル企業の登場で、短期間のうちに私たちの生活は変化しました。
人種や年齢、宗教などに関係なく世界中から優秀な人材を集め、単純労働は極めて人件費の安い地域に外注する傾向です。
機械化により中流階級の仕事は激減し、資本家と労働者の格差は大きくなるばかり。
著者は、現代人の賢明な投資先として「外国株式インデックスファンド」を挙げて締めくくっています。
「動いた者と、そうでない者。勝利の女神は、行動した人間にこそ微笑む。」
私は、この7つ目の道具が好きです。
行動する者に勝利の女神が微笑むことを信じて、新しいことに挑戦していきたいものです。