会社員のヤドカリ投資法|低予算でリスク最小限の不動産投資

ヤドカリ投資法

私が不動産投資初心者であれば「ヤドカリ投資法」を選びます。

会社員が住宅ローンを組み、最小限のリスクで不動産投資を始めたい方に最適な手法だからです。

この記事では、数ある不動産投資手法のうち、中古マイホームから始める不動産投資について解説しています。

これからマイホームを購入し、さらに不動産投資も始めてみたい方の参考になれば幸いです。

この記事のおすすめ

・不動産投資を始めたい人
・ヤドカリ投資法を知りたい人
・不動産投資でリスクを避けたい人

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ヤドカリ投資法

ヤドカリ投資法は、住宅ローンで不動産を購入し、ローン完済後に賃貸不動産として収益を得ながら、新しいマイホームに住み替えていく手法です。

低金利住宅ローンを利用し、マイホームを住み替えます。

投資に適したマイホームの選択肢は5つ。

①建売新築戸建
②注文新築戸建
中古戸建
④新築区分マンション
⑤中古区分マンション

会社員のヤドカリ投資には、中古戸建をおすすめします。

5つの選択肢から、中古戸建を選ぶ理由は以下の通り。

・ アパートや商業ビルは、難易度高くリスクも高い。
・ 新築物件は、価格に宣伝広告費が上乗せされ、利回り低下。
・ 区分マンションは、管理費や修繕積立費で、利回り低下。

中古戸建は、仕入れ価格が安く高利回りが期待できます。

ヤドカリ投資法の手順

ヤドカリ投資法の手順
  • 1個目のマイホームを購入

    費用対効果の高い中古戸建(総額1,000万円前後)を購入する。

  • 居住しながらリフォームする

    リフォームしながら自ら居住する。

  • 10年以内にローン完済する

    10年完済を目指す(年間約100万円の返済)

  • 2個目のマイホームを購入

    次のマイホームを購入する。

  • 1個目のマイホームを賃貸する

    完済後のマイホームから賃貸収益を得る。

・価格1000万円超は、実質利回り10%を下回る。
10年完済で3戸購入5年完済で6戸購入を目標。
・家賃を次のローン返済に充て、グレードアップも可能。

投資のメリット

①住宅ローンを利用できる

最大のメリットは、住宅ローンを利用できること。優遇制度のある住宅ローンを活用し、不動産投資を始めることができます。

一方で、不動産投資ローンは高金利であり、住宅ローン金利の3倍~10倍が相場。

「フラット35」などを利用し、繰上完済することで高利回りを実現します。

②税制優遇制度を活用できる

会社員に嬉しい「住宅ローン控除」が適用されます。

床面積40㎡以上の物件は、税制優遇(ローン上限4,000万、10年間)の減税策を受けることができ、年末調整でローン残高に応じた減税額が還付されます。

10年完済を目指すのは、優遇期間10年間のメリットを最大限に享受するためです。

住宅ローンには、優遇制度があります。

③家賃の節約

自ら居住する。不動産投資で購入した家に住むことで、家賃を節約できます。家賃相当分は、住宅ローンに充当します。

④リスク最小限の不動産投資

少ないリスクで、大家さんになれます。途中で不動産投資を諦めた場合は、マイホームとして住めばよいだけ。ライフスタイルの変化に応じ、柔軟に対応することもできます。

また、賃貸に限らず売却も可能。バブル期のような高騰は期待できませんが、キャピタルゲインを狙うこともできるでしょう。

⑤団体信用生命保険を付加できる

団体信用生命保険に入ることが可能。マイホームが生命保険の代わりになります。自分に万が一の場合、住宅ローンは保険で相殺されます。

ちなみに、ノンバンクから融資を受ける際にも、団信の選択は可能です。但し、法人で不動産投資をする場合は、団信の加入はできません。

投資のデメリット

①選択肢が制約される

マイホームは、あくまでも投資の手段。自分の趣味や嗜好にあわせて、自由気ままなマイホーム選びができません。将来の賃貸需要を考慮し、実需のある物件選びが必要です。

実需を想定したマイホームに限られます。

②経費として計上できない 

事業として運用するわけではありません。よって、必要経費を計上することができません。

副業として不動産賃貸業を営む場合は、経費や建物の減価償却費を計上でき、会社員の給料と損益通算できます。損益通算で、所得税の還付を受けることも可能です。

③想定外の出費

マンションのように修繕積立金がありません。外壁塗装や大規模修繕など、想定外の出費は覚悟が必要。なお、台風やゲリラ豪雨のような災害は、火災保険の補償でリスクを回避できます。

④投資の拡大に時間を要する

複数の住宅ローンを組むことができません。よって、投資の拡大スピードは遅くなります。会社員人生を通じて、不動産投資を拡大させていく手法です。

早期FIREを目指すなら、不動産投資ローンでレバレッジを掛け、リスクを取る手法になります。

⑤出口戦略が必須

ローン完済後の出口戦略が必須です。賃貸でインカムゲインを狙うのか?売却でキャピタルゲインを狙うのか?マイホームとして住んでも後悔しないか?

想定通り賃貸できるとも限りませんし、売却で赤字になる可能性もあります。出口を想定し、慎重な物件選びが重要です。

投資物件の選定

①立地

政令都市で、家を1,000万円以下で購入することは難しいでしょう。人口20万人以上の衛星都市か地方都市が選択肢となります。

◎住宅購入価格が安くても、賃貸価格も安いとは限りません。

◎不動産価格のゆがみ、賃貸不動産の旨味がそこにあります。

人気沿線や駅に近いからといって、投資に良い物件とも限りません。世の中には、自動車通勤の会社員が大勢います。病院や学校など公共施設の近くに住みたい人も存在します。ペットと暮らせれば、田舎でもよいと考える人もいるでしょう。

地域性を見極め、賃貸需要の高い物件を探しましょう。不動産ポータルサイトHOME’SやSUUMOで比較検討しましょう。

立地が重要。100軒検索し、10軒内覧し、1軒買えればOK!

②価格

1,000万円以下が目安。不動産取得の税金その他諸費用を含む合計金額です。

1,000万円の不動産を、家賃8万円で賃貸すれば利回り約10%。家賃7万円が相場の地域なら、900万円以下で購入したいところです。

③戸建かマンションか?

戸建でも分譲マンションでもOK。しかし、より収益率の高い戸建をおすすめします。

分譲マンションは、大規模修繕の心配が不要で管理組合の存在も安心ですが、修繕積立費と管理費により費用対効果が低下します。将来的に積立費が値上げされ、利回りが悪化することも考えられます。

④新築か中古か?

中古をお勧めします。新築は、不動産販売会社の宣伝広告費が上乗せされて割高。新築プレミアのがれた中古物件が、断然有利です。

⑤築年数

物件を何年運用するか、予め計画を立てておきます。木造戸建の法定耐用年数は22年ですが、実際に建て替える人はまれ。築50年が、売却できる目安と考えておくと良いでしょう。再建築かリフォームして、賃貸し続けることも選択肢です。

▶築10年→10年居住→30年賃貸後に売却。
▶築20年→10年居住→20年賃貸後に売却。
▶築30年→10年居住→10年賃貸後に売却。

⑥間取り

間取りも重要なファクター。戸建でファミリーを狙います。和室より洋室、広いリビングが好まれる傾向にあります。

鉄筋・鉄骨マンションはリフォームに構造上の制限がありますが、木造建築は比較的自由にリノベーションが可能です。

◎戸建⇒:ファミリー向け、賃貸サイクル長い
×ワンルーム⇒単身向け、住宅ローン対象外、競合多い

⑦設備

外壁塗装や風呂やトイレの水回り設備。これらの修繕は、費用がかかります。数十年単位で賃貸運用する場合は、リフォーム費用の覚悟が必要。購入前のシミュレーションで考慮しておきましょう。

⑧収益性

ROI (投資収益率)=(年間家賃収入-必要経費-ローン返済額)÷(物件購入費+諸費用)

ROI=0が損益分岐点。中古物件のROIは、3%以上欲しいところです。

▶表面利回り=年間家賃収入÷物件購入費
▶実質利回り=(年間家賃収入-必要経費)÷(物件購入費+諸費用)

都市圏でも実質利回り10%程度は、確保することが可能。利回り10%とは、100万円が1年で110万になること。言い換えれば、10年で投資の元が取れるということです。

購入前に綿密なシミュレーションをしましょう!

⑨出口戦略

出口戦略が重要です。道路付けの悪い再建築不可物件や災害ハザードエリア内の物件は、敬遠しましょう。アパートと違い、実需で家を購入する一般消費者に売却できる物件がベストです。

また、家を解体した後の土地価格も調査が必要。更地や整地にしなくても、土地として売却することができます。その場合は、解体費用100万円程度の値引き交渉が入ることを覚悟しましょう。

最低でも土地の価値は残ります。

・マイホームは、ローン返済後も負債(お金が出ていく状態)
・不動産は、収益を生んで初めて資産(お金が入ってくる状態)

何千万円もする新築マンションも、35年後はただの中古マンション。一時の見栄のために、不動産を負債とするのか資産とするのかは、あなた次第。

私はマイホームを抵当に入れ、ノンバンク融資を受ける高リスク手法を取りました。ヤドカリ投資法を知っていれば、間違いなくこの手法を選んでいたでしょう。