東北大学経済学研究科が、人口や出生率のデータを基に算出した。
4205年に、日本人は滅亡する。
2016年に1億2692万人だった日本の人口は、2050年に9708万人、2100年に8300万人まで減少すると予測される。
ひとりのライフスタイルが定着し、一生を独身で暮らす男女は珍しくない。
必然的に、おひとりさまビジネスが脚光を浴びてきた。
この記事では、おひとりさまマーケットと、その取り込み方法を紹介する。
会社員の副業として、ビジネスチャンスが転がっているかもしれない。
おひとりさまの背景
おひとりさまが増えた原因のひとつは、未婚率。単身世帯の増加で、日本を取り巻く環境が大きく変貌した。
未婚率:男性 | 1990年 | 2020年 |
---|---|---|
30代 | 19.1% | 34.5% |
50代 | 5.6% | 28.3% |
未婚率:女性 | 1990年 | 2020年 |
---|---|---|
30代 | 13.9% | 35.2% |
50代 | 4.3% | 17.8% |
①ライフスタイルの変化
旅行パンフレットを開いて驚く。おひとりさま限定ツアーが紙面を占める。家族や友人と参加できないツアーが目白押しなのだ。
昔は、旅館にひとりで宿泊することを忌み嫌った。自殺などのリスクがあるからだ。旅館で事件が起こると、事故物件として風評被害が広がった。
また、映画館やカラオケは、複数人で楽しむ娯楽施設だった。いまでは、ひとりで行くことに抵抗を感じる人は少ない。
コンビニでは、小盛り弁当の品揃えが増えている。ひとり自宅で食事をする働く女性の需要を取り込んだものだ。
②コロナの影響
焼肉や鍋は、大人数でテーブルを囲むものだった。コロナの影響で、箸が触れ合うことを嫌う風潮が高まった。ひとり焼肉専門店の大繁盛は、ひとりでも気軽に食べたい需要を、時代に合わせてうまく取り込んだ結果だろう。
また、4人席が一般的だったファミレス。「ガスト」や「コメダ珈琲」は、カウンター席を拡充し、ひとり需要を掘り起こす戦略に注力し始めた。
③スマホの普及
スマホがあれば何でも情報が手に入る。希薄になった人間社会で、もはや他人に頼る必要さえなくなった。「おひとりさま」で検索すると、「女性」「楽しみ方」「老後」などのキーワードであふれている。Googleマップと翻訳機能があれば、世界中を旅することも簡単だ。
おひとりさま市場
実際に、おひとりさまを狙ったマーケットは急拡大している。
・ひとり旅行
・ひとり焼肉
・ひとり居酒屋
・ひとりファミレス
・ひとりラーメン
・ひとり寿司
・ひとりしゃぶしゃぶ
・ひとりカラオケ
・ひとり映画
・ひとりゴルフ
・ひとりサウナ
・ひとりウェディング
ひとりで入りにくかった飲食店が、ひとりでも居心地のよい空間を積極的に提案している。
意外なところで、ひとりウェディング。結婚はしないけど、ドレスを着て写真に残したい需要を取り込んでいるらしい。
おひとりさまビジネスのメリット
①単価が上がる
ひとりでも食べたい、ひとりでも旅行したい需要は多い。食べたくて仕方がない、旅したくてウズウズしている。そのような層は、単価を気にしない。金銭的に余裕のない人は、来ないといってもよい。
友人と焼肉を食べると、どうしても遠慮が入る。ひとりなら割り勘の必要もなく、好きなだけ食べることができる。結果的に単価も上がる。
②回転率が上がる
おひとりさまは、滞在時間が短く回転率があがる。欲求を満たせば、さっさと退店。行きたい目的地に到着したら、次の目的地へ向かう。他人を気にせず、次々マイペースで欲望を消化できる。
③リピート率が上がる
ひとりで行動することに、最初は抵抗があるものだ。しかし、幸せな体験を提供してもらえれば、必ずリピートしてもらえる。おひとりさまビジネスが急拡大しているとはいえ、ひとりでも居心地の良い空間は、まだそんなに多くはない。
おひとりさまを取り込む方法
①居心地の良い空間の提供
ひとりが好きな人は、静かな空間を好む。もともと、大人数の宴席やパーティが苦手な人が多い。客や店員が騒いでいると、ひとり身は落ち着かない。2度と足を運んでもらえないだろう。
落ち着いたカウンター席で、会話を楽しみたい人もいる。会話が苦手な訳ではなく、ゆったりと自分の時間を過ごせればよい。
要するに、ファミリーやビジネスマンではなく、おひとりさまを明確なターゲットに絞ることだ。
②おひとりさま歓迎をアピール
まずは、知ってもらうこと。おひとりさま歓迎を、認知してもらうことが大切だ。
SNSで発信し、おひとりさまのコミュニティに情報を届けたい。おひとりさまでも喜んでもらえるサービスを、どのように提供しているのかアピールしたい。
あとがき
おひとりさまビジネスの盛り上がりは、ビジネスチャンスと捉えられる。
難易度の高いソロ活動に、まだチャンスが残っているかもしれない。以下は、ソロ活動の難易度が高いとされるベスト5。
1.ひとり旅
2.ひとり夜景
3.ひとり遊園地
4.ひとりフェス
5.ひとりクリスマスマーケット
これらが平気でソロ活動できるようになれば、日本人が滅亡する日も早まることだろう。