一般社団法人クリニックで、医師の名義貸しが事件になった。
美容整形、脱毛、薄毛治療など医療行為は、医師免許が必要だ。
無資格で施術した者、名義を貸した者、いずれも医療法違反で処罰される。
不動産業界でも、宅地建物取引士の名義貸しが行われている。
業務に従事する者5人に1人以上の割合で、宅建士を設置する義務があるからだ。
もちろん、宅建業法で禁じられている。
しかし、これらの名義貸しは、世の中でひそかに横行している。
この記事では、稼げる国家資格と挑戦してはいけない副業について紹介する。
国家資格の名義貸し
名義貸しとは、免許名義を他人に貸与する行為。 事前承諾だけでなく、事後承諾で与える行為も名義貸しとなる。それらは法律で禁じられている。
資格の名義貸し(違法) | 年間報酬額 |
---|---|
医師(医療法) | 0円~480万円 |
産業医(労働安全衛生法) | 0円~120万円 |
一級建築士(建築士法) | 0円~120万円 |
土木施工管理技士(建設業法) | 0円~120万円 |
宅地建物取引士(宅建業法) | 0円~60万円 |
管理美容師(美容師法) | 0円~60万円 |
持っているだけで、楽して儲かる資格は確かにある。
しかし、それを悪用するなら、一生が台無しになる覚悟が必要だ。
稼げる国家資格
会社員に挑戦できそうな国家資格を見てみよう。
資格 | 平均年収(万円) | 勤務形態 |
---|---|---|
公認会計士 | 747 | 監査法人、会計コンサルタント |
税理士 | 747 | 大手税理士法人、独立開業 |
国家公務員 | 666 | 事務次官、官僚 |
司法書士 | 600 | 独立開業 |
行政書士 | 580 | 独立開業 |
宅地建物取引士 | 578 | 勤務先の報償、独立開業 |
社会保険労務士 | 780 | 人事・労務コンサル、独立開業 |
中小企業診断士 | 650 | 独立開業 |
キャリアコンサルタント | 580 | 独立開業 |
多くの企業で副業が解禁となり、サラリーの掛け持ちが可能になった。
資格を取得して、独立開業も夢ではない。
問題は、中高年になってから、資格を取得する意欲があるかどうかだ。
司法書士
40代でも、取得後に開業を目指せるのが司法書士。
相続登記の義務化で、司法書士の仕事が激増している。
うまく営業できれば、弁護士よりも稼げる。
宅地建物取引士
宅建士は、即戦力として不動産業界で需要が高い。
ファイナンシャル・プランナー(FP)も取れば、業務に幅が出る。
土地活用など、顧客の資産形成コンサルタントができる。
キャリアコンサルタント
個人のキャリアプランをサポートする国家資格。
相談者の適性や才能を見極め、キャリア形成をアドバイスする専門家だ。
独立開業すれば、営業次第で高収入が見込める。
ドローン操縦士
おもしろい国家資格として、昨年に新設されたドローン操縦士。
一等無人航空機操縦士は、目視不要のレベル4飛行ができる。
空撮だけでなく、測量士などの資格を掛け合わせると差別化も図れる。
挑戦してはいけない副業
一方で、会社員が挑戦してはいけない資格や副業もある。
①高難度のビジネス
②労働集約型ビジネス
③ハイリスクビジネス
①高難度のビジネス
医師や弁護士のような、超難関資格に挑戦してはいけない。
独立開業しない限り、たいしたサラリーも見込めず、労力が割に合わない。
若いならともかく、中高年が夢見る職業ではない。
②労働集約型ビジネス
そもそも副業で、自らの労働力を売る選択肢は捨てたい。
特にホワイトカラーの労働力は、いずれAIに集約される。
定年退職後も続けられる、雇われない副業を見つけたい。
③ハイリスクビジネス
最初から、リスクの高いビジネスに挑戦してはいけない。
失敗することを前提に、スモールビジネスから始めよう。
稼げるライフワークは、3つのカテゴリーに分類される。
簡単にできて、お金を失わず、すぐに撤退できること。
掛け金は少なく、損切りは早くしよう。
小売業で最も多い倒産理由は、不良在庫を抱えてしまうことだ。
失敗しても、徐々にコツがつかめれば、手応えを感じるようになるだろう。
3年以上続けると、セミプロになれる。
雲の上の存在だったプロ達も、大したことないように思える。
世の中で、間違った情報を流している人が多いことにも気付く。
そうなれば、自分で情報を発信してみよう。
あとがき
楽に稼げる闇バイトも、人生が終わる。
おいしい話しは、はなから疑ってかかろう。
ただ、何もしなければ、何も始まらない。
スモールビジネスから始めて、駄目だと思えば撤退すればよい。
本業のサラリーがあるので、失敗しても気楽なものだ。