
希望とは、最大の悪である。それは人間の苦悩を引き延ばすからだ。-フリードリヒ・ニーチェ-
絶望が長く続くことを、ニーチェが皮肉的に言い表した言葉である。

呪われたユニットバスの件だが、断腸の思いで解体することにした。
給水管、給湯管、排水管の水漏れをチェックする。
あれ?どこからも水漏れの痕跡はない。
水圧調査も問題ない。
しかし…、
壁をよく見るとクラックが入っている。

これか!
なんと壁から水が染み出しているではないか。
振動ドリルで穴を広げてみる。

上階の排水管から壁を伝って水が流れ落ちてくる。
その足で上階の部屋のインターホンを鳴らす。
顔を見せた住人に、現場の様子を確認してもらった。
そして、2ヶ月に及ぶ水漏れの被害を報告した。
すると、その住人から衝撃の言葉が発せられた。
「私も賃貸で住んでいるんです」
ガーン Σ(゚д゚lll)
なんと、マンションの区分所有者ではなかったようだ。
やれやれ。
希望が見えたと思った途端、一転して最悪の事態を迎えてしまった。
上階のオーナーは、ユニットバスの弁償をしてくれるのだろうか?
いつになったら、上階の修理が完了するのだろうか?
面倒なオーナーだったらどうしようか?