
裁判所執行官ら2人が刺傷、保証会社の男性が死亡するという事件が起きた。
これにはショックを受けた。
東京都で、アパートから立ち退きの強制執行に訪れた執行官と保証会社の男性が、住人の40代男性に刺され病院に搬送された。2人はいずれも60代で、保証会社の男性は病院で死亡が確認された。
家賃保証会社には、常日頃からお世話になっている。自分自身にも、全く関係のない話ではない。
家賃保証会社の仕組み
実は正直にいうと、「家賃保証会社」を軽くみくびっていた感は否めない。
他人の不動産に便乗して、手数料をかすめとる”濡れ手に粟”の商売だと思っていた。
”濡れ手に粟”とは、苦労せずに多くの利益や物を得ること。濡れた手で粟の粒を掴むと、たくさん手についてくることからの例え。類義語に”一攫千金”などがある。「濡れ手で泡」とよく間違えられるが、これは誤用です。
家賃保証会社は、入居者に代わって大家さんへ家賃を立て替え払いする。具体的には入居審査、家賃保証、滞納時の督促回収、訴訟から契約解除の明け渡し作業までをサポートする。
一般的には入居者が年間保証料を支払うことにより、大家さんは滞納リスクが無くなる(実際の保証期間は上限2年程度であることが多い)。
ところが、日本賃貸住宅管理協会「日管協短観」によると、賃貸住宅市場全体での家賃滞納率は、約1.2%~5.0%程度である。これはクレジットカードの初期延滞にほぼ等しい。これには、うっかり延滞や次の給料日に解消できるような軽微な延滞が含まれる。実際に契約解除の明け渡しに至るのは極めて稀なケースであろう。
家賃保証会社の督促方法
それでは、実際に家賃を滞納すると、どのような督促行為が待っているのだろうか。以下が債権回収の流れである。
1. 初期督促(延滞直後〜1ヶ月程度)
・電話、メール、手紙により、入居者へ未払い事実の連絡。
・入居者の事情を汲み取りながら、月内の入金を約束。
2. 越月督促(1ヶ月〜3ヶ月程度)
・連帯保証人への連絡、督促、代弁の要請。
・直接訪問による督促、入居事実の確認。
・内容証明郵便による催告で、契約解除や法的措置を事前告知。
3. 法的措置(3ヶ月以降)
・支払督促、少額訴訟、建物明渡訴訟など法的措置へ移行。
・強制執行による、給与差押えや執行官による強制退去。
実際に法的措置に進む場合は、弁護士が介入して訴訟から強制執行までのお膳立てをする。その後、強制執行に進んだとしても、入居者が無職の場合は差し押さえる資産もなく、最終的に強制退去の手続きとなる。
あとがき
これは、賃貸住宅の家賃保証に限った話ではない。
住宅ローンを組んでマイホームを手に入れた場合でも、ローンが支払えなければ強制退去となる。さらに言えば、国に固定資産税を支払えなければ、これも強制退去となりマイホームは競売にかけられる。
マイホームとは、幻の資産である。
住宅ローンを完済した後も、実はいつまで経っても国の資産なのである。