早期退職を考える中高年の会社員は、多いと思います。
役職定年制度を導入している企業は多く、50歳前後で給料3割減は当たり前。
この記事は、役職定年で将来に不安を抱いている方に、読んで頂きたいものです。
私は48歳から副業を始め、52歳で役職定年を迎え、54歳で早期退職しました。
役職定年の現実を知り、来るべきときに備えておきましょう。
・役職定年制度が不安な人
・役職定年の業界動向を知りたい人
・将来の選択肢に迷っている人
役職定年制度
従業員1,000人以上の企業は、約50%が役職定年制度を導入。従業員3,001人以上の企業は、約75%が導入しています。
※出典:厚生労働省賃金事情等総合調査
1980年代、退職制度が55歳定年から60歳定年へ移行。組織の活性化や若返り、人件費抑制の名目で、役職定年の概念も生まれました。
役職定年制度の実態
役職定年の実態です。
役職定年の適用年齢
- 50~54歳 9%
- 55歳~59歳 64%
- 60歳以上 24%
- その他 3%
50歳で役職定年を迎える企業が多いです。
役職定年の対象者
- 役員を除く全管理職 44%
- 課長以下の全管理職 24%
- 部長以下の全管理職 18%
- 係長以下の全管理職 4%
- その他 10%
役員以外、ほぼ全員が対象者です。
役職定年後の業務
- 同一部署で同一業務 46%
- 同一部署で異なる業務 21%
- 異なる部署で異なる業務 15%
- 出向、その他 18%
同じ部署で同じ仕事なのに、給料だけ下がります。
役職定年後の給料
- 1~10%減少 10%
- 11~30%減少 50%
- 31~50%減少 20%
- その他 20%
30%減額がひとつの目安です。
※出典:週刊ダイヤモンド
主要業界の役職定年
電機
- 降格もある冷徹な制度。
- 日立製作所は、本部長間で500万円もの格差。
- 東芝は、50代社員の行き場が急減。
- ソニーは、部長から平社員の降格あり。
情報通信
- 富士通・NECがジョブ型で40代の役職離任もあり。
- 若いうちから降格のある実力主義制度。
電力・ガス
- 57歳で最大900万円の格差。
- 東京電力は、役職定年40%カットで年収600万円に。
銀行
- メガバンク(三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行)は、同期から役員が出れば銀行本体から出向。
- グループ会社に出向か取引先企業に転籍。
- 日本銀行は、高位職でも55歳で年収カット。
損害保険
- 東京海上日動火災保険は、55歳でポストオフ。
- 住友海上火災保険は、同期で年収500万円の格差。
生命保険
- 日本生命保険、住友生命保険、明治安田生命保険は、65歳まで定年延長。
- 第一生命保険は、緩やかなポストオフ。
証券
- 野村證券など大手は、実力で給料に大きな差が生まれる。
- シニアが挽回できる大和証券。
- シニアでも執行役員の昇格が可能なSBI証券。
商社
- 三菱商事、住友商事、伊藤忠商事は、シニアに対しても高待遇。
- 60歳まで給料の減額なし。
- 三井物産は、非開示の役職定年制度がある。
食品
- アサヒビールとキリンビールで共通の役職定年57歳。
- 60歳の再雇用で6割減額。
製薬
- 役職定年後も年収1,300万円を維持。
- 第一三共の役職定年は、部長58歳、グループ長55歳。
- 武田薬品は、役職定年なし。
ゼネコン
- 建設業界の役職定年制度は、3割程度が導入。
- 役職定年しても年収カットのない優しい業界。
メディア
- 毎日新聞社は、50歳で部長足切り、54歳で局長足切り。
- 日本経済新聞社は、55歳で役職定年、年収は1,000万円以下に。
小売り・流通
- 平均給与が少ない業界にも役職定年制度はある。
- イトーヨーカ堂は、70歳までパートナー社員制度あり。
- 郵便局は、成績優秀者以外は給料半減。
公務員
- 65歳定年延長義務化に伴い役職定年制度を導入。
- 60歳時点で給料の3割減額。
いずれの業界も中高年には厳しい現実です。
中高年の選択肢
中高年の会社員が取れる選択肢は3つ。
①定年退職まで勤める
待遇や処遇は、甘んじて受け入れる。
定年退職まで、ワーク・ライフ・バランスを取りながら企業に献身する。
②転職して環境を変える
転職エージェントに登録し、自身の価値を見極めたうえで転職活動する。
給料の減額は覚悟し、モチベーションを高めて新しい環境に身を置く。
但し、永年勤めた会社の待遇でさえ冷淡なものですから、中高年が再就職するとなれば、更に厳しい現実が待っています。
また、ハローワークで職業訓練を受講するにしても、55歳が年齢制限となります。
③FIREを目指す
いずれ来る役職定年を見据えて、副業を始める。
副業が事業的規模になれば、いつでも会社を辞めることができます。
終身雇用が見込めない世の中、副業を解禁する企業が増えました。
まずは手軽な副業から始め、事業に成長させることができればFIREも夢ではありません。
働くかどうかを自分の意思で決めませんか!?
あとがき
役職定年で不遇となっても、従来通り積極的に会社に貢献し、心身ともに健康状態を保つことができる人は問題ありません。
ただ、給料が減り、肩書がなくなり、部下がいなくなれば、心穏やかに過ごせる人は少ないのではないかと思います。
自己肯定感の希薄になった自分自身を騙して、定年まで時間をやり過ごすことはお勧めできません。
一度きりの人生。
いつまでも輝ける自分自身を探して、FIREの道を模索してみては如何でしょうか。
当サイトでは、中高年の「Side FIRE」を応援しています。