![姫路城に咲く桜](https://halohalohalo.org/wp-content/uploads/2024/05/be9589cd7bc1c7e8119a78e6df44d0ef-300x183-1.jpg)
日本には、国宝に指定されているお城が5つあり、国宝5城と呼ばれています。
実際に5つのお城を巡り歩き、比較してみました。
あらためて観察すると、それぞれの時代背景と特徴があることを発見できます。
訪れた際に、押さえておきたい見どころを紹介します。
国宝5城一覧
江戸時代以前の天守が現存するのは12城。
その中で、特に価値の高い5城が、国宝に指定されています。
①姫路城(兵庫県)
②彦根城(滋賀県)
③松本城(長野県)
④犬山城(愛知県)
⑤松江城(島根県)
天守が現存する12城は、こちらです。
⑥弘前城(青森県)
⑦丸岡城(福井県)
⑧備中松山城(岡山県)
⑨丸亀城(香川県)
⑩松山城(愛媛県)
⑪宇和島城(愛媛県)
⑫高知城(高知県)
国宝5城のデータ比較
5城 | 姫路城 | 彦根城 | 松本城 | 犬山城 | 松江城 |
---|---|---|---|---|---|
異名 | 白鷺城 | 金亀城 | 烏城 | 白帝城 | 千鳥城 |
天守 | 連立式望楼型 | 複合式望楼型 | 連結式望楼型 | 望楼型 | 複合式望楼型 |
外観 | 5重6階地下1階 | 3重3階地下1階 | 5重6階 | 3重4階地下2階 | 4重5階地下1階 |
高さ | 31.49m | 15.5m | 30m | 18.79m | 22.4m |
築年 | 1,346年 | 1,622年 | 1,504年 | 1,537年 | 1,611年 |
所在地 | 兵庫県 | 滋賀県 | 長野県 | 愛知県 | 島根県 |
入場料 | 1,000円 | 800円 | 700円 | 550円 | 680円 |
見所 | お菊井戸 | 馬屋 | 月見櫓 | 天守回廊 | 北惣門橋 |
国宝5城は、建築された年代が違うため、それぞれの時代背景が反映されています。
数百年前の建築物が、現代に受け継がれていることは、まさに奇跡。
それぞれのお城について見どころを紹介します。
姫路城
姫路城の概要
![姫路城の全景](https://halohalohalo.org/wp-content/uploads/2024/05/IMG_1343Edited-1-300x169-1.jpg)
姫路城は、日本で最初に登録された世界遺産(1993年)。
別名、白鷺城。
5層の大天守と、東・西・乾の小天守が、渡櫓で結ばれた連立式天守閣。
威風堂々とそびえる姿は、白鷺が羽を広げたような美しさです。
1609年に建築された大天守は、平成の大規模修理を終えました。
屋根瓦と白壁のコントラストがさらに際立ちます。
![西大柱](https://halohalohalo.org/wp-content/uploads/2024/05/IMG_1332Edited-300x169-1-150x85.jpg)
大天守を支える2本の柱が、東大柱と西大柱。
その大きさと太さに、圧倒されます。
大天守(高さ31.49m)は、当時最大の高層建築でした。
![刑部神社](https://halohalohalo.org/wp-content/uploads/2024/05/IMG_1328Edited-300x169-1-150x85.jpg)
最上階には、刑部神社が祀られ、窓から360度の絶景パノラマが望めます。
![姫路城天守からの眺め](https://halohalohalo.org/wp-content/uploads/2024/05/IMG_1326Edited-300x169-2-150x85.jpg)
南方向、大手前通り突き当りにJR姫路駅が見えます。
姫路城の見どころ
1,000本桜
![白鷺城の1000本桜](https://halohalohalo.org/wp-content/uploads/2024/05/IMG_0184-2-264x300-1.jpg)
こちらは、春にも訪れた姫路城。
白鷺城に映える、満開の1,000本桜は、圧巻のひとことです。
お菊井戸
![お菊井戸](https://halohalohalo.org/wp-content/uploads/2024/05/IMG_1340-300x225-1-150x113.jpg)
怪談「播州皿屋敷」で有名な、お菊さんの井戸。
お菊さんの亡霊が、毎夜「いちま~い、にま~い…」と数える悲痛な声が響きます。
好古園
![好古園の池](https://halohalohalo.org/wp-content/uploads/2024/05/2023-9-300x225-1-150x113.jpg)
こちらは、紅葉の季節に訪れた好古園。
姫路市制100周年を記念して造営された日本庭園です。
趣きの異なった九つの庭園群を、楽しむことができます。
姫路城共通券(+50円)を購入すると大変お得です。
姫路動物園
![姫路動物園の看板](https://halohalohalo.org/wp-content/uploads/2024/05/IMG_1351Edited-300x169-1-150x85.jpg)
敷地内に、姫路動物園も営業しています。
入園料は、大人210円、小人30円。
小ぢんまりした動物園ですが、子供連れファミリーには嬉しいサービス価格です。
彦根城
彦根城の概要
![彦根城でひこにゃんと写真撮影](https://halohalohalo.org/wp-content/uploads/2024/05/IMG_1447-234x300-1.jpg)
彦根城は、天守が3階3重の屋根で構成されています。
別名、金亀城。
大津城が移築されたもので、美しいだけでなく軍事面にも優れたお城です。
![彦根城天守から見る琵琶湖](https://halohalohalo.org/wp-content/uploads/2024/05/IMG_0970-2-300x288-1-150x144.jpg)
天守からは、雄大な琵琶湖が望めます。
彦根城の見どころ
ゆるキャラ「ひこにゃん」
大人気ゆるキャラ「ひこにゃん」の住まいは、彦根城!
1日3回、ファンの前に出没します。
ジャンケン大会で、観衆は大盛り上がりです。
![ひこにゃんとジャンケン大会](https://halohalohalo.org/wp-content/uploads/2024/05/IMG_0975-225x300-1-113x150.jpg)
ひこにゃんのグー。
馬屋
![馬屋](https://halohalohalo.org/wp-content/uploads/2024/05/image-4-300x225-1-150x113.jpg)
城内に残る馬屋は珍しく、ここ彦根城だけで観ることができます。
こけら葺きの屋根が、美しく改修されました。
玄宮園
![玄宮園](https://halohalohalo.org/wp-content/uploads/2024/05/IMG_0978-225x300-1-113x150.jpg)
玄宮園は、大規模な池泉回遊式庭園。
池と周囲を巡る園路を中心に作庭され、桂離宮や兼六園とともに有名です。
手前の池と奥に見える鳳翔台(茶席)、そして遠くの天守がバランスよく構図に収まります。
松本城
松本城の概要
![松本城の全景](https://halohalohalo.org/wp-content/uploads/2024/05/IMG_1684-300x225-1.jpg)
松本城は、北アルプスの山々を背景に建立された数少ない平城です。
別名、烏城。
五重天守の実物が見られるのは、姫路城と松本城だけ。
![松本城の天守](https://halohalohalo.org/wp-content/uploads/2024/05/IMG_1704Edited-300x169-1-150x85.jpg)
最上階望楼の天井に、二十六夜神が祀られています。
![松本城天守からの眺め](https://halohalohalo.org/wp-content/uploads/2024/05/IMG_1707Edited-300x169-1-150x85.jpg)
天守から見える緑の蓮池と、赤い埋橋のコトラストが絶景です。
松本城の見どころ
月見櫓
![月見櫓](https://halohalohalo.org/wp-content/uploads/2024/05/IMG_1711Edited-300x169-1-150x85.jpg)
松本城は、平和な時代に建造されました。
その象徴が、朱塗りの月見櫓(写真向かって左の櫓)に認められます。
![月見櫓の内部](https://halohalohalo.org/wp-content/uploads/2024/05/IMG_1710Edited-300x169-1-150x85.jpg)
月見をするための櫓で、北・東・南の戸を外すと三方が吹き抜けになります。
防衛が大切な戦乱の世では、考えられない趣向ですね。
埋橋
![松本城の埋橋](https://halohalohalo.org/wp-content/uploads/2024/05/IMG_1686-1-300x225-1-150x113.jpg)
埋橋は、松本城と松本城公園を結ぶ橋です。
黒い松本城と赤い橋が、鮮烈で耽美な雰囲気を醸しだします。
松本城公園
![松本城公園](https://halohalohalo.org/wp-content/uploads/2024/05/IMG_1689Edited-2-300x209-1-150x105.jpg)
公園は市民の憩いの場になっており、散策にもぴったり。
蓮の花が一輪咲いていました。
犬山城
犬山城の概要
![犬山城の全景](https://halohalohalo.org/wp-content/uploads/2024/05/IMG_1770-300x225-1.jpg)
犬山城は、織田信長の叔父である織田信康によって築城されました。
別名、白帝城。
豊臣秀吉が入城し、徳川家康と睨み合いが続いた歴史が残っています。
犬山城の見どころ
最古の天守
![犬山城天守](https://halohalohalo.org/wp-content/uploads/2024/05/IMG_1757Edited-300x169-1-150x85.jpg)
天守は、現存する日本最古のもの。
他の城との大きな違いとして、天守の外回廊へ出ることができます。
![犬山城天守の回廊](https://halohalohalo.org/wp-content/uploads/2024/05/IMG_1764Edited-300x169-1-150x85.jpg)
回廊を一周すると、伊木山や犬山橋など、東西南北の風景を眺めることができます。
柵が高さが腰より低いため、高所恐怖症の方はご用心。
唐破風
![犬山城の唐破風](https://halohalohalo.org/wp-content/uploads/2024/05/IMG_1754-2-300x95-1-150x48.jpg)
唐破風は、丸みをつけた破風の一種。
![唐破風の間](https://halohalohalo.org/wp-content/uploads/2024/05/IMG_1756Edited-300x169-1-150x85.jpg)
正面から見える出窓のような場所は、内側から見るとこんな感じ。
犬山城下町
![犬山城下町](https://halohalohalo.org/wp-content/uploads/2024/05/IMG_1775Edited-300x169-1-150x85.jpg)
戦国時代から続く、木造建築が残る犬山城下町。
当時の雰囲気を色濃く残しており、そぞろ歩きも楽しく多くの観光客でにぎわっています。
松江城
松江城の概要
![松江城の全景](https://halohalohalo.org/wp-content/uploads/2024/05/IMG_1902Edited-1-300x169-1.jpg)
松江城は、山陰地方で唯一の現存天守になります。
別名、千鳥城。
外壁の多くが黒色の下見張りで、石落としや石打棚など、実戦を強く意識して築かれました。
![松江城の天守](https://halohalohalo.org/wp-content/uploads/2024/05/IMG_1916Edited-300x169-1-150x85.jpg)
5階の天守は、壁のない360度の展望が広がる望楼。
![松江城天守からの景色](https://halohalohalo.org/wp-content/uploads/2024/05/IMG_1914Edited-300x169-1-150x85.jpg)
天守から、宍道湖が望めます。
松江城の見どころ
北惣門橋
![再建された北惣門橋](https://halohalohalo.org/wp-content/uploads/2024/05/IMG_1929Edited-300x169-1-150x85.jpg)
城につながる木橋の北惣門橋が、復元されています。
![堀川遊覧船](https://halohalohalo.org/wp-content/uploads/2024/05/IMG_1923-300x225-1-150x113.jpg)
優雅な遊覧船も楽しみのひとつ。
堀川遊覧船は、大人1,500円です。
石打棚・塩蔵・井戸
![石打棚](https://halohalohalo.org/wp-content/uploads/2024/05/IMG_1920-300x225-1-150x113.jpg)
戦を強く意識して築城された様子が、当時のまま残されています。
石打棚で石を砕き、石落としに使われました。
![井戸](https://halohalohalo.org/wp-content/uploads/2024/05/IMG_1908-300x225-1-150x113.jpg)
井戸を覗き込むと、吸い込まれるような高さでした。
興雲閣
![興雲閣](https://halohalohalo.org/wp-content/uploads/2024/05/IMG_1896-300x225-1-150x113.jpg)
興雲閣は、松江城二ノ丸に建つ明治建築です。
皇室の宿泊所としても使用されました。
郷土資料館として、無料で見学できます。
併設する亀田山喫茶室で、休憩するのもよいでしょう。
![宍道湖のサンセット](https://halohalohalo.org/wp-content/uploads/2024/05/IMG_1935-300x225-1-150x113.jpg)
最後に見ておきたい、宍道湖のサンセット。
島根県立美術館が夕陽鑑賞のスポットになっており、市民憩いの広場になっています。
あとがき
私は、播州生まれで、幼少期に姫路城や姫路動物園で遊んで育ちました。
良くも悪くも、姫路城がお城の基準に刷り込まれています。
ゆえに、全国のお城を訪れると、鉄筋やエレベーターの近代施設に残念な気持ちになります。
しかし、今回巡った5城は、さすがに国宝。
天守が丁重に保存され、行政も観光誘致に尽力し、携わる市民が愛情を注いでいる様子が窺えました。
お城は、世界でも類を見ない日本独特の建築美。
日本人の大切な遺産ですね。