ハローワークで求職活動されている方へ。
自身のスキルアップにつながり、人気のIT業界にも高い確率で就職できる職業訓練学校。
この記事では、職業訓練学校の試験問題や、受講のメリット・デメリットを紹介しています。
また、職業訓練学校を見学することで、ハローワークの求職活動実績1回分として認めてもらえます。
求職活動中の方に、参考となれば幸いです。
・ハローワークで求職中の人
・職業訓練学校に興味のある人
・IT業界に転職したい人
職業訓練学校
職業訓練を受講できる施設は、全国に設置されています。
- 独立行政法人ポリテクセンター
- 公立高等職業技術専門校
人気のIT系技能も習得でき、就職活動にも大変有利になります。
訓練分野は、おおむね以下の通りです。
- IT系
- 事務系
- サービス系
- 介護系
- 福祉系
- 製造系
- 電気・電子系
- 建築系
- デザイン系
職業訓練コーナー
全国のハローワークには、必ず「職業訓練コーナー」が設置されています。
職業訓練コーナーでは、様々な職業訓練に関する相談や受講の斡旋を行っています。
さらに、訓練修了後も、就職までフォローアップを受けることが可能。
職業訓練コーナーで相談すると、希望職種や習得したいスキルに応じた職業訓練学校を紹介してもらえます。また、職業訓練コーナーで相談するだけで、求職活動実績1回としてカウントしてもらえます。
職業訓練コーナーで相談すると、求職活動実績1回です。
職業訓練の見学会
各校が開催する見学会に参加すると、授業の雰囲気が掴めて良いと思います。
また、見学会に参加するだけで、求職活動実績1回としてカウントしてもらえます。
見学会に参加すると、求職活動実績1回です。
応募倍率
職業訓練学校に入校するには、選考試験に合格する必要があります。
就職に有利なIT系は、高い倍率になる傾向にあります。ポリテクセンター関西 「ICTエンジニア科」では、倍率3.2倍です。
人手不足ランキング
IT業界は、人手不足の職業ランキング1位です!
1位 IT業界
< IT=information technology> コンピューター、インターネットなどを使う情報技術を総称する語。 国際的には、ICT(情報通信技術)が広義に使用される。
IT業界とは、NTTデータ、IBM、富士通、NECなどの情報処理サービス業界。
高い給与水準ですが、専門の知識が必要となり、優秀な人材が海外へ流出するなど、最も人手不足が顕著な業界です。
IT業界の仕事は、3分野に分かれます。
エンジニア系、Web系、営業系。
エンジニア系とWeb系は、プログラミングに関する知識が必須。「基本情報処理技術者」「ITパスポート」の資格取得は、転職に有利でしょう。
2位 建設業界
建設業界では、高度経済成長を支えた団塊世代が引退し、慢性的な人手不足に陥っています。
大規模商業施設や高層マンションなどの建築ラッシュが続き、コロナ禍や円安の影響による資材不足も加わりパニック状態。
有効求人倍率も4~5倍で推移しています。
3位 運輸業界
ネット通販の普及や、当日配達の過剰サービスで、運輸業界の人員需要は高まるばかり。年間43億㌧の物流のうち、9割がトラック輸送です。
トラック運転手の長時間労働による過労死や、安価な報酬が社会問題にもなっています。
4位 保安業界
工事現場の交通整理や駐車場の誘導員、金融機関のロビー警備やビルの夜間警備など職種は様々。
高齢者でも採用されるメリットは有りますが、昼夜を問わない不規則な生活が人員不足の要因です。
5位 外勤事務
NHK受信料の集金、水道メーターの検針員など外勤事務員も人手不足が顕著。
外勤事務は自分のペースで働けるメリットもありますが、顧客と直接対峙してクレームを受けることも多く、離職率の高い職種です。
6位 介護業界
高齢化が進み、介護関連の仕事はニーズが高まる一方。
低賃金にもかかわらず、不規則な勤務体系、重労働で汚れ仕事の多いことなど、離職率の高い業界です。
7位 看護師
人命を預かる尊い職業でありながら、疲労困憊で心身ともに病み、離職が多い職種。
コロナ禍で一層の離職が進みましたが、資格が必要なため、転職に有利な職種です。
8位 販売・小売業界
接客業であるため、クレームや理不尽な言いがかりを受けることも多く、人手不足が根強い業界。コロナ禍で人員整理されたように、不安定な職種でもあります。
年中無休の営業やサービスを展開している場合は、休暇も取りにくく定着率の低い業界です。
9位 電気工事士
電気工事は、有資格者でないと施工できません。建築ラッシュとネット回線の普及により、電気工事士の人手不足も顕著。
高所作業や家電製品の取り付けに留まらず、高圧配電盤や分電盤の知識も必要になります。
10位 保育士
少子化が進む一方、共働き世帯が増加し、子供を預ける施設も保育士も不足しています。
子供を預かる責任と負担が増し、保護者との人間関係の難しさも見え隠れします。低賃金で残業が多いことも、離職率の高い原因となっています。
訓練後の就職率
職業訓練学校の卒業生は、就職率80%以上の実績が残っています。
なお、職業訓練学校では、起業の支援はしていません。あくまでも、就職支援の訓練となります。
訓練生の年齢構成と男女比率
30代~40代が最も多く、全体の6割を占めます。50代以上の中高年も、約2割の比率で在籍しています。男女比率は、IT系で男女半々、製造系は大半が男性です。
訓練費用
・ポリテクセンター:受講料無料
・公立高等職業技術専門校:年間20万円程度
・テキストや作業服は実費(4,000円~20,000円)
訓練期間
訓練期間=1ヶ月・3ヶ月・6ヶ月・12ヶ月・24ヶ月
職業訓練期間は、受講コースにより1~24ヶ月。
特に希望のコースがなければ、毎月何かしらの科目を受講できます。ポリテクセンターは、ほとんどのコースが訓練期間6ヶ月となります。
訓練時間
1日の訓練時間は、9時始業~16時終業。
土・日・祝日・お盆・年末年始は、休校。
訓練スケジュール
- 1~3ヶ月目専門スキルを基礎から習得、就職活動の準備。
- 4~5ヶ月目スキルの応用、就職活動。
- 6ヶ月目企業で現場研修、個別就職相談。
- 終了後訓練終了後もフォローアップ、求人情報提供。
受講までの流れ
- 1ハローワークへ求職申込
- 2職業相談
- 3職業訓練コース選択
- 4職業訓練受講申し込み
- 5選考試験
- 6合格通知
- 7ハローワークで諸手続き
- 8職業訓練学校入校
選考試験
選考試験は、面接・筆記テスト・適正テストが行われます。
面接
面接では、受講志望動機と希望就職先をヒアリングされます。
希望する就職先に対し、現段階で具体的にどのようなアプローチをしているか聴かれます。
筆記テスト・適正テスト
筆記テストは中学校卒業レベル、適正テストは簡単な判断テスト。
下記は、筆記テストと適正テストのサンプルです。
受講のメリット
専門分野のスキルが身に付く
職業訓練学校で受講することで、IT系、機械系、電気系、建築系など様々な分野の専門知識が身に付きます。いわゆる手に職をつけるための訓練ですから、就職に直結するスキルを学ぶことができます。
実践できるカリキュラム
訓練は「分かる」ではなく、「出来る」を目指したカリキュラムとなっています。基礎からスタートすることで、未経験の初心者でも実際に「出来る」を手に入れることができますので、就職活動にも自信が持てます。
経済的負担が少ない
全国のポリテクセンターは受講料無料で、テキストや作業服の実費のみ必要。一方、公立高等職業技術専門校は、入校選考料・授業料・テキスト代で年間20万円程度の費用が発生します。
公立高等職業技術専門校は、訓練期間1~2年の専門コースを設定するなど、ポリテクセンターより充実した教育環境が整っています。いずれにしても、民間の専門学校へ入校することを考えると、経済的負担は軽いと言えます。
就職活動をサポート
職業訓練校では、求人情報の提供、個別相談、就職支援セミナーを開催しています。企業も即戦力の訓練生を求めており、企業からのオファー情報を即座に入手することも可能。また、同じ目標を持った仲間ができますので、お互い切磋琢磨し情報共有することもできます。
資格取得
訓練中に、任意で資格を取得することができます。もちろん受験して合格する必要がありますが、資格試験を受験できる知識が身に付きます。
資格取得の一例です。
- ICT科→ITパスポート、ITストラテジスト
- 電気設備科→第二種電気工事士、消防設備士
- 建築施工・CAD科→建築CAD検定試験3級、2級建築施工管理技士
- ビル設備サービス科→二級ボイラー技士、危険物取扱者
- テクニカルメタルワーク化→溶接技能者、非破壊検査技術者
- 住宅設備科→2級管工事施工管理技士補
訓練期間中に受験できるので一石二鳥です!
託児サービス
無料の託児サービスがあります。訓練時間中にお子様を預けることができますので、安心して訓練に励むことができます。
失業給付期間の延長
失業給付期間が延長されます。失業保険を受給中の方は、訓練期間が終了するまで失業給付期間も延長されます。
受講のデメリット
積極的にスキルを身に付け就職を目指す方に、特にデメリットはありません。
しかし、以下をデメリットに感じる方がいらっしゃるかもしれません。
対象年齢
職業訓練コースにより、年齢制限があります。
概ね、55歳未満のコースが多いようです。建築科など、45歳未満のコースもあります。残念ながら、中高年が卒業しても企業から求人が無いのが現実です。
また、中高年の再就職は、待遇も厳しいものです。
・年収ダウン
・肩書無し
・年下の上司に仕える
・組織適応力があるか
・対人適応力があるか
・新しい環境に馴染めるか
・チャレンジ精神があるか
・健康に問題がないか
・清潔感があるか
・プライドが邪魔しないか
残念ながら年齢制限があり、中高年には厳しい現実です。
出席日数
8~9割の出席日数が必要です。出席日数が足りないと、職業訓練校の終了証書は貰えません。ただし、訓練途中で就職が決定し、正当な事由により退学していく方は大勢いらっしゃいます。
現場研修
訓練期間の最終月や最終週を、実習訓練として企業で就業するケースが多いようです。実際の現場で働くことで、現場の雰囲気を掴むことができます。1日の研修時間は、正社員の勤務時間と同じです。
給料は支給されません。
即戦力として認めて貰えれば、そのまま正社員として採用されることもありますので、いわゆるインターンシップ制度と同じです。
就職以外の入校はできない
手軽にスキルを習得することができるとはいえ、就職する意思無くして入校することはできません。
面接では、受講の志望動機を聞かれますし、入校後も積極的な就職活動を求められます。
まとめ
ITスキルの職業訓練学校について、受講のメリット・デメリットについて解説しました。
・メリットは、就職率が高い。
・デメリットは、競争率が高い。
見学会に参加し、職業訓練に興味を持てば、実際に入校して損はないと思います。
IT系のように、応募倍率が3倍を超える人気コースもあります。人気コースは、就職率が高い反面、応募倍率も高いことが難点です。
あなたが暮らす街にも、必ずポリテクセンターがあります。興味があれば、いちど調べてみては如何でしょうか。あなたの求職活動を応援しています。