FIREを目指す会社員が多くなりました。
最適解のひとつは、好きな仕事で働き続け、資産を運用し、年金受給を繰り下げること。
「FI」で働き続けることも、FIRE達成と言えるでしょう。
- F=Financial(金融)
- I=Independence(独立)
- R=Retire(引退)
- E=Early(早い)
私は、48歳で副業を始め、52歳で役職定年を迎え、54歳で早期退職しました。
副業が給料と遜色ない程度になり退職しましたが、会社員を続ける選択肢もありました。
今回は、会社を辞めない「FI」について考えます。
・FIREを目指している人
・現在の会社に不満が無い人
・経済的自由を手に入れたい人
FIREの2面性
金融資産1億円以上の「億り人」も、FIRE志向は少数派。
FIREには、2面性があります。
・FI(経済的独立)
FIは、給料がなくても暮らしていける状態。
精神的に余裕があるため、会社に対する不満は軽減されます。
嫌ならいつでも辞めることができます。
・RE(早期退職)
解雇や転職など、望まない早期退職は辛いもの。
中高年は、厳しい再就職事情も覚悟しておく必要があります。
一方、望んで退職する場合は、手に入れた自由で選択肢が広がります。
希望に満ちた未来に、精神的にも満足できるでしょう。
・FIとREの落とし穴
ところが…
「FI」も「RE」も注意が必要です。
どちらかに偏ると、リタイア後に後悔したり、生きがいを失って再就職することになりかねません。
FIRE達成後に、幸福度が上がる人生と、幸福度が下がる人生に2極化してしまうのです。
こう考えると、ず「FI」を達成し、慎重に「RE」を検討するのが得策です。
急いで早期退職するのは、踏み止まりましょう。
FIRE達成の順序
FI(経済的自立)を達成する
FI達成 | 40代 | 50代 | 60代 |
①難易度 | 高 | 普通 | 低 |
②自由時間 | 長い | 普通 | 短い |
③準備期間 | 短い | 普通 | 長い |
④老後影響 | 大 | 中 | 小 |
①難易度
40代の会社員がFIREを志し、70歳で年金を繰下げ受給することを前提とします。
平均寿命を鑑みると、70歳で年金を繰り下げ受給するのが最適解だと考えます。
FIRE前に考慮するべき2点。
・資産形成
・年金受給額
▶︎まず、目標資産額はいくらか?
資産形成には、預貯金だけでなく、副業収入も加えます。
当サイトで推奨する「Side FIRE」では、資産2,000万円~5,000万円で基礎生活費を賄い、副業でゆとり費を賄います。
▶︎次に、年金受給額はいくらか?
早期退職の年齢が若すぎると、将来の厚生年金が目減りします。
老後に資産が枯渇しないか、充分に考慮しておく必要があります。
40代で達成するには時間的に難易度が高く、退職金を貰った60代では難易度が低いといえます。
②自由時間
40代で達成すると、20年以上の自由時間が手に入ります。
60代で達成すると、70歳の年金受給まで10年しかありません。
③準備期間
40代からチャレンジして、40代で達成するには時間が足りません。
60代で達成するには、充分すぎる準備時間が許されます。
④老後の影響
若くしてFIREを達成するのは夢。
一方、将来の年金受給額に大きな支障が出ます。
年金以上に、副業で稼げる力があれば杞憂ですが…
結論は、50代でFI達成が現実的です。
RE(早期退職)を検討する
何のために退職するのか?
まったく働かないのか?
副業を続けるのか?
どこで誰と暮らすのか?
早期退職後のライフプランは、綿密に検討しておきましょう。
単に会社が嫌で辞めただけであれば、ただの逃避です。
生きがいを見つけておかないと、こんな筈ではなかったと後悔することでしょう。
幸せの基準が、お金や時間だけでないことに気付いてからでは遅いです。
やりたいことが見つかるまで、働くのも選択肢です。
資産形成のヒント
・4%ルール
働かずに不労所得だけで暮らしていくには、相応の資産が必要です。
よく耳にする「4%ルール」。
年間支出額の約25倍を資産形成し、以降は4%の運用益で暮らしていくものです。
仮に年間支出額が400万円だった場合は、1億円の資産形成後に、FIRE達成となります。
過去100年間の運用実績から、外国株式インデックスの運用益で4%は可能です。
・副業を始める
とはいえ、1億円の資産形成は難易度が高いもの。
Side FIREとは、ある程度の資産を形成し、自由に好きなことをして働きながら暮らしていくものです。
例えば、2,000万円の金融資産を生活防衛資金とし、副業で月20万円稼げるとしたら?
突然、現実味を帯びた目標になりませんか?
世の中でノウハウが出尽くしている副業を、一通り真似てみることです。
意外な自分の適性を見つけることができるものです。
早期退職のヒント
・ストレスの蓄積
親密な人の死は、強烈な苦痛とストレスをもたらしますが、それは時間と共に癒えるものです。
毎日の満員電車は、終わりのない悪夢のようなもので、人の死よりストレスが蓄積されるとの研究結果がでています。
会社で理不尽な処遇を受けたり、出社するのが精神的に辛い時、それは早期退職のタイミングです。
・あきらめていた夢
よく勉強して大学に入学し、よい会社へ就職して税金を納める。
自分で決めた人生でしょうか?
言われるがまま社会人になり、お金や時間は自由になったでしょうか?
あきらめていた夢。
挑戦すらしなかったこと。
一度きりの人生です。
・目指すべきFIREのかたち
最後に、FIRE達成が幸福度の上がる人生とは限りません。
しかし、チャレンジした人だけが、見ることができるFIREの世界。
自分の理想の生き方を、実現するための手段であって欲しいものです。
あとがき
私は、早期退職の道を選びました。
会社での居心地が悪かったわけでもなく、適度なポジションで給料も不満のないものでした。
私は旅行好きですが、いちど観光した土地には興味が薄れてしまいます。必要もないのに、人生で12回も引越しをしました。
安定した環境、見慣れた街や景色には、どうも興味がないようです。
なぜ早期退職したのか?
それは、FIREという見たことのない世界を、体験してみたかったからです。