人格の形成時期と親の影響|遺伝率50%のパーソナリティ形成要因は?

パーソナリティ形成要因

近年、「親ガチャ」という言葉が流行しました。

親ガチャ

子供は、生まれてくる親を選べません。

東京大学の学生は、6割が世帯年収950万円以上の家庭出身。

恵まれた家庭に生まれた子供は、塾や家庭教師を通じて偏差値の高い学校に入学し、医者や弁護士といった「上級国民」になる。

一方、贅沢ぜいたくを望めない家庭に生まれた子供は、社会の底辺にくすぶる「下級国民」になる。

親ガチャ」とは、遺伝子家庭環境風刺ふうしした言葉です。

私自身は「自分の道は自分で切り開くもの」という信念を持っていますので、「親ガチャ」という言葉には迎合げいごうできません。

ところが、近年の研究で、パーソナリティ人格)を形成する要素に、遺伝が重要な役割を果たしていることが分かってきました。

この記事では、パーソナリティの形成要因親の遺伝について解説します。

また、親の遺伝率が50%を超えるパーソナリティについても紹介しています。

この記事のおすすめ
  • 人格形成の要因に興味がある人
  • 遺伝率を知りたい人
  • 家庭環境の影響を知りたい人

パーソナリティの形成

パーソナリティ形成

パーソナリティとは、人格・個性・人柄

個人の素質と環境の相互作用から形成された、人間の行動を規定するもの。

パーソナリティの形成には、3種類の要素が必要です。

パーソナリティの形成要素

遺伝率

共有環境

非共有環境

①遺伝率

身長や体重など、遺伝子が関与する量的形質における割合を占める率。

②共有環境

兄弟が共有している環境で、一般的に家庭環境(子育て)とされます。

③非共有環境

学校や交友関係など、同じ家庭で育っても共有しない環境です。

パーソナリティ形成における遺伝率

パーソナリティ形成における、①遺伝率、②共有環境、③非共有環境の比率を表したものです。

パーソナリティ遺伝率共有環境非共有環境
発達障害70%7%23%
多動障害68%5%27%
思春期の感情64%7%29%
情緒障害63%6%31%
やる気57%0%43%
計算56%13%31%
認知55%25%25%
抑うつ障害52%4%44%
学歴50%25%25%
言語46%22%32%
ドラッグ依存46%26%28%
強迫神経症46%6%48%
恐怖不安障害45%10%45%
睡眠障害45%0%55%
記憶45%3%52%
健康44%13%43%
パーソナリティ障害44%1%56%
集中力44%2%54%
アルコール依存44%19%38%
幼児期の感情障害43%20%37%
摂食障害38%2%60%
仕事と雇用37%0%63%
宗教36%21%43%
親密な関係35%0%65%
感情の不安定35%19%46%
適応障害33%0%67%
人間関係30%36%34%
家族関係28%6%66%
子育て27%34%39%
※出典:Murray”Human Diversity”より抜粋。

やる気計算学歴などは、遺伝率が50%を超えています。

自分の子供に「やる気」が無いのは、果たして誰のせいでしょうか?

学歴は遺伝率が50%!

子供に勉強を強制し辛くなるかも?

仕事の資質

仕事と雇用=遺伝率37%+非共有環境63%

仕事と雇用のパーソナリティ

仕事と雇用」のパーソナリティ形成は、非共有環境(学校や交友関係)が63%を占めます。

すなわち、家庭以外の交友関係が基礎になって、仕事の資質が形成されます。

理想の先生、尊敬できる先輩、親しい友人達が貴方のパーソナリティを形成します。

両親や親類の属性

一方、「仕事と雇用」のパーソナリティ形成における遺伝率37%

両親、親類縁者の職業倫理が、貴方のパーソナリティ形成にも影響します。

商売を営んでいる親戚がいれば、貴方にも副業のセンスがあるかもしれません!

遺伝を語る負の歴史

ホロコースト記念碑

ここまで、パーソナリティ形成における遺伝について紹介しました。

ただ、第二次世界大戦以降、人間や社会を「遺伝」で語ることはタブーとされてきました。

ナチスドイツによる、ホロコーストに結び付いた優生学ゆうせいがくの反省に起因するものです。

ホロコーストと優生学

ホロコースト」は、ナチスが600万人のユダヤ人に対して行った絶滅政策・大量虐殺。

優生学」は、進化論と遺伝学を人間に当てはめ、集団の遺伝的な質を向上させる応用生物科学。

しかしながら、遺伝と環境の影響力を調べる行動遺伝学では、やはり遺伝による影響は大きいということが徐々に分かってきました。

運も実力のうち?

行動遺伝学では「も遺伝の一部と考えます。

人は、「頭が良い」「足が速い」「歌がうまい」など、親から受け継いだ性質を基に個性を作ります。

誰もが無意識のうちに、自分の性質にあった環境を構築しているのです。

  • 赤信号でも強引に横断する人は、交通事故に遭う確率が高い「の悪い人
  • 青信号でも慎重に横断する人は、交通事故に遭う確率が低い「の良い人

信号を横断する時の気質も遺伝によるものであり、「運」も遺伝の一部と考えられています。

さらに、運だけでなく偶然も遺伝の一部と考えられています。

あとがき

パーソナリティ形成の遺伝率は、如何でしたでしょうか?

自分の個性は両親から譲り受けたものであり、子供に引き継いでいくものです。

とはいえ、非共有環境(交友関係)が一定の影響力を持つのも事実。

自分の道を切り開くために、積極的に行動して交友関係を広げましょう。

コメントをどうぞ