SNSで不幸になる理由|他人の幸福をうらやんではいけない?

不幸になる理由

幸福は、人間の最大の関心ごとである。

幸福になりたいと望むだけであれば、それは簡単に実現できる。

しかし、他人と比べてしまうことで、それは困難で厄介な目標になってしまう。

友人が偏差値の高い学校に入った。

同期が自分より早く出世した。

隣人が高級車を買った。

それまで満足していたのに、他人と比べてしまった途端に、心穏やかでいられなくなる。

大谷翔平選手の年俸と比べる人は、誰もいないだろう。救いがないのは、身近な他人と比べてしまうことである。

そして、日常に溶け込んだSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)が、幸福度を下げることが分かっている。

この記事では、幸福を他人と比べてしまう理由を紹介しよう。

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SNSで不幸になる理由

SNSほど、人の幸福感を揺るがすものはない。SNSは、嫉妬が渦巻く世界。

人は誰しも、無意識に自慢をしたくなるもの。

輝かしいキャリア、優雅な旅、豪華な食事、幸せなそうな家族、可愛いペット…

素敵な生活を見せられて敗北感を感じる。

幸せな自分を見せるために、盛りに盛った写真を投稿する。

それだけなら笑えるが、嫉妬からアンチやヘイトを投稿するようになったら救いがない。

人は誰でも承認欲求の塊なのだ。

SNSを使うことで不幸を感じる理由は、以下のようなものが指摘されている。

1. 比較による劣等感

他人が投稿する成功や幸せそうな瞬間を見て、「自分は十分ではない」と感じてしまう。

2. 虚構の世界

SNSに投稿される内容は、ほとんどがその人の「良い面」や「ハイライト」のみで、現実の全体像ではない。にもかかわらず、それを見ている人は「みんなが自分より幸せそう」と錯覚してしまう。

3. 時間の浪費感

SNSを長時間使用した後で「もっと有意義なことに時間を使うべきだった」と後悔することがある。これが不満や無力感につながる。

4. 承認欲求の悪循環

「いいね」やコメントなど、承認を求める行動が過剰になると、他人からの評価に依存しやすくなる。それが得られない場合、自己価値感が下がることにつながる。

5. ネガティブな情報の影響

SNSにはネガティブなニュース、批判、炎上などが頻繁に流れる。それを繰り返し目にすることで、心理的に疲弊したり、ストレスを感じることになる。

6. 孤独感の増加

SNSを通じて多くの人と繋がっているように見えても、実際には深いつながりを感じられない場合、かえって孤独を感じることになる。

7. 中毒性

SNSは設計上、ユーザーをできるだけ長時間引きつける仕組みを持っている。そのため、無意識にスクロールし続けたり、やめられなくなったりして生活に支障をきたす場合がある。

SNSが幸福度に与える調査

スマホを操作する手

SNSの利用が幸福度に与える影響については、さまざまな調査結果がある。

1.SNS疲れの経験者の割合

ある調査によれば、SNS利用者の42.7%が「SNS疲れ」を経験したと報告されている。特に20代の女性では、その割合が65.0%に達している。

2.SNS利用時間と孤独感の関係

別の調査によれば、1日のSNS利用時間が0時間の人の64%が「孤独を感じる」と回答したのに対し、1~2時間利用する人ではその割合が87%に増加している。これは、SNSの利用時間が増えるほど孤独感が強まる可能性を示唆している。

3.SNS利用者の幸福度に関する調査

福島大学の学生約70人を対象とした調査では、SNSの利用と日常の幸福度に関する以下の結果が得られた。

Twitter利用者: 日常の幸福度が低いという仮説は支持されず、Twitterをよく使用している人の日常は不幸ではないことが示された。

Instagram利用者: 投稿頻度が高い人は日常の幸福度が高い傾向が見られた。これは、日常生活が幸福な人ほど投稿する内容が多く、結果として投稿頻度も高くなる可能性が考えられる。

性格の影響: 嫉妬深い人がInstagramを利用すると、使用時の幸福度が下がる一方、他人の幸せを素直に喜べる人は使用時の幸福度が高くなる傾向が見られた。

4.SNS利用者の人間関係による疲れ

2022年11月の調査では、SNS利用者の半数以上が人間関係による「SNS疲れ」を実感しており、約6割がSNSデトックスや利用中止を検討したことがあると報告されている。

SNSで嫉妬しない方法

SNSで嫉妬しないためには、以下のような対策が考えられる。

• SNSの使用時間を強制的に制限する。

• フォローするアカウントを見直し、自分にポジティブな影響を与えるものだけを残す。

• 他人との比較を意識せず、自分自身の価値観を大切にする。

• 時には完全にSNSを休む「デジタルデトックス」を試みる。

SNSは、とても便利なツールである一方、過剰で誤った使い方が依存症を引き起こし、不幸を感じる原因につながる。自分に合った適切なバランスを見つけることが大切だ。

幸福になれる方法

17世紀フランスの貴族フランソワ・ド・ラ・ロシュフコー公爵がこう言っている。

「幸福になるのは、自分の好きなものを持っているからであり、他人が良いと思っているものを持っているからではない。」

人はなぜ他人と比べてしまうのか?

それは、自分の価値基準が確立していないからである。

本人が仕事やモノに楽しみや意義を感じている状態こそが、最高なのである。

他人に流されず、自分の価値基準の確立が大切なのだ。

それは、自分自身の経験や教養を身につけることで解決する。

最後に、実は他人もそんなに幸福ではないことを知っておこう。