転職や早期退職を考える会社員は、多いと思います。
「退職理由」が2種類あることは、ご存じでしょうか?
退職理由は、自分で任意に決めることができません。
失業手当の金額は、退職理由で大きな差が生れます。
知っていると得しますが、知らないと大きく損します。退職前に必ず確認しておきましょう。
・退職を検討している人
・失業保険の金額を知りたい人
・失業保険をお得にもらいたい人
退職理由
退職すると、会社から離職票を受け取ります。離職票の提出先は、下記の通り
・転職する人→新しい勤務先へ雇用保険被保険者証と併せて提出。
・失業手当を受ける人→ハローワークへ提出。
離職票には、退職理由が記載されています。自己都合か会社都合のどちらかです。
会社都合で辞めるのが、お得です!
自己都合退職
「自己都合」とは、労働者に帰すべき事由による退職です。
一身上の都合による退職、転職、結婚、出産、病気、介護など。
会社都合退職
「会社都合」とは、労働者の意思とは関係なく、会社の業績や経営状態に起因する退職です。
倒産、解雇(自己の責めに帰すべき事由を除く)、早期退職制度、会社規定など。
失業手当
失業手当の日数
失業手当をもらえる日数は、退職理由と被保険者期間(就労していた期間)で決定します。
20年以上で差が開きます。
・自己都合=150日
・会社都合=330日
失業手当の日額
1日当たりの基本手当日額です。
離職日の直前6か月に、毎月支払われた賃金合計(除く賞与)を、180で割って算出した「賃金日額」の50~80%(60~64歳は45~80%)です。賃金の低い人ほど、補償率が高くなります。
基本手当日額は、上限額が定められています。会社員時代に高収入であっても、基本手当日額を超える支給はありません。
年齢 | 基本手当日額 |
---|---|
30歳未満 | 6,760円 |
30歳以上45歳未満 | 7,510円 |
45歳以上60歳未満 | 8,265円 |
60歳以上65歳未満 | 7,096円 |
日額には、上限があることに注意です。
失業手当の総額
失業手当の総額=日数×日額
<例>賃金日額2万円で勤続20年以上の50歳
・自己都合=8,265円×150日=1,239,750円
・会社都合=8,265円×330日=2,727,450円
自己都合と会社都合で、倍以上の差額になります!
不正受給
最後に、これだけは知っておきましょう。
不正行為で手当を受けたり、受けようとした場合、以後の手当を受けることが出来なくなるばかりか、すでに受けた金額の返還を命じられます。
さらに、すでに受給した金額の2倍相当の納付を命じられます。いわゆる3倍返しです。
不正受給すると3倍返しです。
まとめ
失業手当は、誰でももらえるわけではありません。
また、退職理由で、失業手当の金額に大きな差が開きます。
少しでも得するには、会社都合で退職すること。
退職前に、会社規定を確認しておきましょう。