確証バイアスという言葉を知っているだろうか。
確証バイアスとは、自分の意見を肯定するために、都合の良い情報ばかり集めてしまうこと。
ギャンブルでは、よく起こる。自分が予想した馬の、都合の良い情報ばかり集めて勝利を確信する。その結果は残酷である。自分が見たいものだけが見えている状態を、幻想ともいう。
会社員にも同じことが起こる。救いがないのは、悪い情報ばかり集めてしまうこと。
「上司に嫌われている気がする」
「同期に負けている気がする」
「自分は駄目なやつだ」
若い頃のモチベーションはいつしか減退し、ついには働かないオジサンが量産される。体力が落ち、頭も回らず、老眼でパソコンも見えづらくなる。
そんな働かないオジサンの処世術を紹介する。
あなたは逃げるのか?
それとも挑戦するのか?
働かないオジサンの生態系
働かないオジサン。自分では気付いていないだろう。若者からは、こう見えている。
・仕事をするフリがうまい
・どこに外出しているのか分からない
・何度もトレイに行く
・役員が来るときだけ、事務所にいる
・役員にだけ、元気な挨拶をする
・役員にアピールを欠かさない
・昼休みは、10分前に出て15分後に戻る
・昨夜のプロ野球で盛り上がる
・昔の武勇伝を自慢げに話す
・ネットばかり見ている
・時間をかけて新聞を読む
・意欲が感じられない
・指示にイエスマン
・電話を取らない
・定年前なのに嘱託の気分
・若手より給料が高いのに働かない
・残業手当が付かないと定時退社する
・終業時刻前に机が片付いている
・ラインから外れてやる気がなくなった
・会議で発言しないのに必ず出席する
・表情が暗い
・臭いが気になる
・働かないオジサンだけで集まる
思い当たるフシは無いだろうか?悲しいが、これが現実だ。
何歳まで働きたいか
内閣府が世論調査した。
「何歳まで仕事をしたいか?」
・61歳以上…71.1%
・61~65歳…28.5%
・66~70歳…21.5%
・71~75歳…11.4%
61歳以上と答えた人は、71.1%に上る。最も多かった働きたい理由は、「生活の糧を得るため」で75.2%。
しかし、一定の収入を得ると、老齢年金制度により厚生年金が減額される。ゆえに、「年金額が減らないように、就業時間を調整しながら会社で働く」という意見が、44.4%を占めた。
本当に働きたいのか、会社にぶら下がりたいのか、なんともせつない。
逃げる処世術
そんな働かないオジサンの処世術。
ひとつは、逃げること。
思い切って、楽になる方法だ。現在の悩みや、将来の不安を消してしまうこと。
①逃げる
自分にもめ事を持ち込む人や、理不尽な組織から逃げる。できる限り、危険を察知したら姿を消すことだ。「逃げるが勝ち」という言葉もある。
②避ける
なんとなく続けてきた人間関係は、回避する。煩わしいことを避けて、自分のやりたいことに集中する。
③断る
できないこと、やりたくないことは、はっきりNOと言う。付き合いで、ダラダラと時間を費やすことほど、無駄なことはない。人生には、限りがある。
④減らす
自分が成長できない体験は、回数を減らす。お金を使って続けているスポーツやサークル活動など、上達しなければフェードアウトする。
⑤やめる
惰性で続けたきた習慣や、他人の目を気にする行動はやめる。できないことは、素直に認める。自分らしい人生を歩く。
挑戦する処世術
もうひとつは、挑戦すること。
①出世をあきらめない
最後まで、出世をあきらめない。
思わぬ幸運が、転がり込むかもしれない。上席の不祥事で、チャンスが回って来るかもしれない。その時に備えて、No.2の地位を確保しておくこと。
政治家の党3役なんて、目まぐるしく入れ替わるものだ。
②仕事を好きになる
今の仕事に、工夫を凝らしてみる。
つまらないと思う仕事を、見方を変えて面白くする。1分でも早く処理する工夫や、1件でも多く成約する方法を考えてみることだ。
③社外に充実をもとめる
自ら声をあげて、居場所を見つける。
社内でモチベーションが下がっているのなら、社外で気の合う仲間のコミュニティを探そう。私生活が充実すると、会社での表情も明るくなる。
④独立する
組織から離れて、自ら人生を切り開く。
働かないオジサンでも、培った知恵と経験は、若者に負けていない。活き活きと活躍できる場所は必ずある。人生に無駄なんてない。
※参考出典:PRESIDENT誌、働かないオジサン(楠木新)
あとがき
アンケートによると、20代の85%がやる気を持って会社員になるらしい。しかし、50代の70%が働かないオジサンになってしまうようだ。
若者には信じられまい。蔑んで見ているオジサンは、未来の自分の姿なのだ。
原因は、大きくなる自己承認欲求と、小さくなる自己肯定感にあるように思う。
逃げるばかりでは、つまらない。簡単な挑戦として、副業を始めてみてはどうだろうか。新しい自分を再発見できるチャンスだと思う。