先日、関西国際空港で、手荷物が紛失した!
ターンテーブルから荷物が出てこない…
と思っていたら、空港係員にフルネームで呼び出された。
係員の持つプラカードに、私の名前が大きくローマ字で書いてある。
何ごとかと近づくと、荷物が届いていないとのこと。
トランジットしたドーハ空港で、荷物が迷子になっているようだ。
いわゆるロストバゲージ。
幸い、荷物はあるので、ディレイドバゲージ扱いとなった。
この記事では、ロストバゲージに遭遇したあとの対応方法について紹介します。
また、ロストバゲージになる原因と対策も解説しています。
ロストバゲージの対応方法
航空券とクレームタグを提出
空港係員が見つからない場合は、「Baggage Lost」と書かれたカウンターに行く。
まず、「航空券」と「クレームタグ(荷物引替証)」を提出する。
注意点は、航空券の控えが残らないこと。マイル積算に必要な人は、航空券を撮影しておこう。
入国税関で携帯品・別送品申告書を提出
空港係員の質問に答えながら、「携帯品・別送品申告書」を記入する。
入国税関の専用カウンターで記入するカードとは、書式が違う。
荷物が無いのに、税関申告書は必要なようだ。
フライト便名、フライト区間、チケット番号、パスポート番号、滞在先の住所、スーツケースの特徴や中身などを記入して、スーツケースの鍵を預ける。
紛失証明書を受け取る
手元に残るのは、手荷物番号記載の控え。
今回、紛失証明書はもらえなかった。
念のため、「携帯品・別送品申告書」を写メしておいた。
荷物の捜索と発送連絡
後日、カタール航空からメール受信。
手荷物が、関西国際空港に到着したようだ。
ヤマト運輸から発送してくれるらしい。
手荷物の受け取り
メール翌日、スーツケースが無事に戻ってきた。実は、旅行中にキャスターが壊れたので、発送してもらえて助かった。
航空会社によっては、空港まで引き取りに来るよう言われるケースも珍しくない。帰国後に発見された場合、発送手数料を請求されることもある。
保険の請求
もし、旅行保険に「航空機寄託手荷物遅延補償」が付帯していれば、保険会社に問い合わせてみるとよい。旅行で必要な衣類や生活必需品を、1万円~10万円程度補償される特約がある。
荷物が見つからずロストバゲージとなった場合、航空会社が生活必需品の現物支給や見舞金で補償するケースもある。しかし、ディレイドバゲージだけでは、航空会社が責任を負うことはない。
ロストバゲージの原因
ロストバゲージが起こる原因は、大きく分けて4つ。
ディレイドバゲージ
荷物の積み込みが遅れること。
時間的に遅れるだけで、発見される可能性は高い。
タグの発行ミス
行き先を間違えてタグを発行したり、タグを付け忘れること。
人為的ミスによるもので、荷物を取り戻すのに時間を要する。
トランジットの荷積みミス
ディレイドバゲージになる原因のひとつ。
飛行機を乗り換える際に、荷降ろし・荷積みを忘れる人為的ミスによるもの。
また、航空機遅延で、トランジットの時間に余裕がない場合にも起こる。
他人が誤って持ち出す
他人が誤って荷物を持ち出してしまうこと。同じ色の似ているスーツケースで起こることは珍しくない。
まれに盗難もある。
ロストバゲージの確率
ロストバゲージは、他人事のよう聞こえる。しかし、私の身にも起こったし、私の両親も経験がある。
ロストバゲージの発生が多い空港は、シャルル・ド・ゴール空港(パリ)、ヒースロー空港(ロンドン)、チャンギ空港(シンガポール)など、トランジットで利用される大きな空港。
SITA(国際航空情報通信機構)の「2018 Baggage Report」によると、荷物ミスが発生した件数は、1,000個中5.57個となっている。飛行機で10往復すれば、10人に1人がロストバゲージに遭遇する計算になる。
ちなみに、関西国際空港は、ロストバゲージを全く出さない空港として有名である。
ロストバゲージの対策
貴重品・必需品は機内へ持ち込む
荷物が無くなることを前提に行動する。
ロストバゲージに遭遇する確率は、予想以上に高い。
貴重品はもちろんのこと、最低1日分の生活必需品を機内へ持ち込むこと。
自家用車や自宅の鍵も、必ず携帯するようにしたい。
荷物にネームタグをつける
荷物にネームタグを付ける。
持ち主を明確にし、他人の荷物と見分けがつくようにしておく。
また、連絡先や携帯番号を記載しておくと、発見される可能性が高くなる。
荷物の特徴と中身を把握する
ロストバゲージの際は、必ず荷物の特徴を聴かれる。
スーツケースの種類、サイズ、色、ブランド、素材。荷物の中身、荷物の特徴、お土産などの相当金額。
少なくとも、英語で答えられるようにしておきたい。
荷物の外観と中身を、写真に撮っておくと説明しやすくなる。
古いタグを外す
過去の旅行で使用したタグや、旅行会社から支給されたネームタグを外しておく。
バーコード類のシールを、たくさん貼ったままにしている人を見かける。
人為的ミスを誘発するような、紛らわしいものは処分しておこう。
新しいタグを手に入れた際は、行き先に間違いないか確認しよう。
トランジット時間に余裕を持つ
トランジットに、時間の余裕を持つ。
個人で航空券を手配する場合は、最低でも3時間の余裕を持ちたい。私の場合は、航空機が90分遅れてディレイドバゲージとなった。
ロストバゲージの補償と保険
航空会社でロストバゲージが発生した場合は、まず荷物の捜索を行う。所定の期間内に荷物が見つからなければ、ロストバゲージとして補償内容が規定されている。期間内に見つかれば、ディレイドバゲージとなり補償はない。ただし、航空会社によっては、生活必需品の現物支給や見舞金を支給する場合もある。
ANAの補償例
- 賠償金がおりるまでの期間
捜索後も手荷物の発見に至らなかった場合、到着後30日~45日で国際運送約款に沿って賠償する。- 損害賠償の請求期限
手荷物を受け取ることができたであろう日(紛失又は滅失の場合)の翌日から起算して21日以内。
一般的に、クレジットカードの海外旅行保険は以下のとおり。
クレジットカードの補償例
- ケガや病気に関する補償
傷害死亡補償事故・ケガによって死亡した場合。
傷害後遺障害補償 事故・ケガによって後遺障害を被った場合。
治療費用病気やケガで、治療を受けた場合。
救援費用病気やケガで入院した場合に、家族が現地に駆け付けた場合の交通費、宿泊費が発生した場合。- 他人への賠償に関する補償
賠償責任 他人の身体や持ち物に対して賠償責任を負った場合。- 持ち物に関する補償
携行品損害 持ち物が盗難・破損にあった場合。- 旅行中の緊急費用
旅行中の事故による緊急費用 予期せぬ偶然の事故で費用が発生した場合。
6時間以上のロストバゲージにより身の回り品を購入したなど。
カード種別により、事前に旅行代金の決済が必要な場合もあるので注意しよう。
あとがき
私は、JALゴールドVISAカードを保有している。今回のロストバゲージに関して、カード会社の保険適用がないか電話してみた。残念ながら、寄託手荷物遅延補償はなかった。
ちなみに、両親がヨーロッパでディレイドバゲージに遭遇した際は、航空会社から見舞金が出た。
別の話しになるが、名古屋セントレア空港から旅行し、天候不良で関西国際空港に降ろされたことがある。セントレア駐車場に自家用車を停めていたので、たいそうな回り道になった。その際は、航空会社から、ひとり1万円の見舞金をもらえた。
旅にトラブルはつきもの。それも含めて楽しめるようになりたいものだ。