セティ・アブシンベル・レイクリゾートホテル(SETI ABU SIMBEL TOURISTIC VILLAGE)に宿泊した。
アブ・シンベル神殿の観光は、アスワンから日帰りのバスツアーがポピュラーだ。しかし、往復600kmを6時間で移動し、現地滞在が60分程度の慌ただしい観光となる。
アブシンベル神殿は、世界遺産という概念が生まれた貴重な遺産。せっかくなら宿泊滞在し、音と光のショーや朝陽に輝くラムセス2世像を堪能したい。
アブ・シンベル神殿
アブ・シンベル神殿は、エジプト南部、ナセル湖のほとりにある壮大な古代エジプトの神殿。紀元前13世紀頃、第19王朝ラムセス2世によって建造された。アスワンハイダム建設によりナセル湖に沈むはずだったが、ユネスコと世界の国々の協力により移築して水没を免れる。1979年に世界遺産登録された。
ツアーバスで、アスワンからサハラ砂漠を300km横断、アブシンベルへ向かう。走っても走っても砂漠しか見えない。
セティ・ホテルには、さらにボートに乗り換えナセル湖を進む。
ほどなくして、湖上にアブシンベル大神殿と小神殿の裏側が見えてきた。コンクリートの山に移築された神殿の背面が、こんなふうになっているのかと興味深い。
ボートが、神殿の正面に回り込む。
湖上から、初めて見るアブシンベル大神殿に感動。4体のラムセス2世像が巨大すぎて、人間が豆粒のように見える。
セティ・ホテル
セティ・ホテルが見えてきた。
セティ・ホテルは、アブシンベル神殿に近い唯一の高級ホテル。ナセル湖を見渡せる絶好のロケーションにあり、リゾートホテルとして観光客を楽しませる。「セティ」の名前は、古代エジプトのファラオ、セティ1世に由来する。
ボートがナセル湖岸に停泊し、リゾート気分が盛り上がる。
ラグジュアリーな雰囲気のホテル。夏の気温は60度近くになるが、冬は暖かくて過ごしやすい。
アラブ建築らしいホテルのフロントで、チェックイン。ウェルカムドリンクをいただいた。
部屋は、全室ヴィラタイプ。
老朽化は否めないが、広くて開放感がある。
調度品もエジプトっぽい。ホテルの装飾や雰囲気は、古代エジプトのエッセンスが散りばめられている。
バスタブはあるが、どう頑張っても床が水浸しになるタイプ。ドライヤーもあり、最低限のアメニティは揃っている。ポットがあるので、持参したコーヒーが飲めた。
テラスから眺めるナセル湖。切り取った絵画のように美しい。
プールに映るヤシの木。ナセル湖に沈む夕陽の景色が最高だ。
音と光のショー
夜は、なんといっても音と光のショー。
アブシンベル神殿の歴史を語る、音と光のスペクタクルショー。当日、もっとも観光客の人数が多い国籍の言語で、ナレーションが流れる。訪れた日は、日本語だった。
アブ・シンベル大神殿は、ラムセス2世を崇拝するためのもので、高さ20mの4体のラムセス2世像が正面に並んでいる。
隣に、王妃ネフェルタリをまつる小神殿。ラムセス2世とネフェルタリの像が並んでおり、ラムセス2世の愛情が表れている。
大神殿と小神殿のライトアップは、宿泊者だけが楽しめる特権だ。
サンライズとラムセス像
早朝は、暗いうちに神殿に向かう。
朝陽が昇ってきた。
年に2回(10月22日と2月22日)「太陽祭」が行われる。日の出の光が神殿の内部まで差し込み、ラムセス2世像が光で照らされる「太陽の奇跡」を観察できる。
世界遺産好きとして、感激もひとしおの旅になった。アブシンベル神殿は、ぜひ宿泊して観光することをおすすめしたい。