![ウルルの夕焼け](https://halohalohalo.org/wp-content/uploads/2024/05/0b7a25eb5e80aeb034ea56ffe14e5042-150x113.jpg)
オーストラリアのウルル(エアーズロック)は、永久に登山禁止となりました。
滑落死亡事故30件以上、天候条件による入山確率33%。
危険な急斜面の1枚岩を登るウルル登山。もう二度と叶わない、登っておいて良かった世界遺産です。
ウルル山頂からの景色を紹介します。
ウルルの概要
砂岩層の一枚岩
![飛行機からみた広がる砂漠](https://halohalohalo.org/wp-content/uploads/2024/05/0fcee2acc1cf0d5b17106a376c6057cc-150x113.jpg)
シドニーからウルルまで、広大な赤土砂漠を横断。ウルルは、大陸の中心に位置し、地球のへそと呼ばれます。
高さは、東京タワー(333m)やエッフェル塔(324m)に匹敵します。
4億年前の地殻変動で、地層が褶曲して地上に表れ、7,000年前に現在の姿になりました。
地上に見える岩は、一枚岩全体の5%だけ。地表からほぼ垂直に、無数の縦縞を形成しています。
ちなみに、世界最大の一枚岩は、オーストラリアのマウント・オーガスタ(ウルルの2.5倍)です。
先住民アボリジニ
![先住民のイメージ](https://halohalohalo.org/wp-content/uploads/2024/05/image-1-150x100.jpg)
オーストラリア先住民が住み着いたのは、5万年以上前。精霊や水場の位置が描かれた壁画が残され、先住民の聖地とされます。
アボリジニ土地権利法
1976年 アボリジニ土地権利法制定。ウルルは対象除外。
1983年 オーストラリア政府は、ウルル所有権を伝統的所有者に返却を宣言。
1985年 所有権を先住民に返却。
2084年まで、一帯の土地をオーストラリアにリースされることになりました。無許可で立ち入った場合は、罰金が科せられます。
世界複合遺産
国立公園内に、2つの山があります。
ウルル(エアーズ・ロック)とカタ・ジュタ(マウント・オルガ)。
元は巨大なひとつの岩山、雨風に浸食されて現在の姿になりました。
世界複合遺産は「マチュピチュの歴史保護区(ペルー)」「ギョレメ国立公園とカッパドキアの岩窟群(トルコ)」「メテオラ(ギリシャ)」など39件が登録されています。複合遺産は、世界遺産全体の3%しかありません。
ウルル登山
登山の概要
山頂まで片道1時間の登山。最大斜度46度の鎖場をのぼります。過去、滑落による死亡事故30件以上、日本人観光客も含まれます。
入山は気象条件に左右され、晴天でも風が吹く場合は禁止。入山できる確率は3分の1。宗教的理由から、撮影禁止や立入禁止区域が多く存在します。
登山禁止の天候条件
- 気温:最高気温36度以上に予想された場合、朝8時に閉鎖。
- 風:2500フィート(25ノット)以上の風が吹くと予報された場合。
- 低気圧:ウルルから50キロ以内の北西または南西に強い低気圧が観測された場合。
- 雨:今後3時間以内に20%以上の確率で降雨が予報された場合。
- 雷:今後3時間以内に5%以上の確率で雷雲の発生が予報された場合。
- 曇天:ウルルの山頂より低く雲が出ている場合。
- 日没:日の出の1時間半以上前および日の入り後1時間半後。
![登山口の看板](https://halohalohalo.org/wp-content/uploads/2024/05/a3687d0d99aa7b0e198d76da8726554e-150x113.jpg)
登山口の看板。日本語で「登らないこと、これがあるべき姿です」とあります。
ウルル登頂
![駐車場に集まるキャラバン](https://halohalohalo.org/wp-content/uploads/2024/05/f0cecd4bc298b6fe9beff546e862a549-150x113.jpg)
さいわい天候条件に恵まれました。ツーリストを乗せたキャラバンが集まってきます。
![立入禁止の看板](https://halohalohalo.org/wp-content/uploads/2024/05/3c9cf9d70fd278a116d25af13bcd7066-150x113.jpg)
一般人の立ち入り禁止区域。
![登山開始](https://halohalohalo.org/wp-content/uploads/2024/05/5848108c03a55f46eb4eebb72f2bb452-113x150.jpg)
最大斜度46度の鎖場を登り始めます。
![鎖場](https://halohalohalo.org/wp-content/uploads/2024/05/c0ea1e4aa1994bccb95a36dee2da930b-150x113.jpg)
私はトレッキングシューズの準備を怠り、薄いスニーカーで登山。岩の表面が想像以上に滑り、怖い思いをしました。
![急な斜面](https://halohalohalo.org/wp-content/uploads/2024/05/895f35059280d15172b88c792f7bb314-150x113.jpg)
左右の視界から、地表が見下ろせるほど切り立った渓谷が迫ります。高所恐怖症の私は、足がすくみます。
![どこを観ても崖](https://halohalohalo.org/wp-content/uploads/2024/05/3d768f7c7c4dce02adb065722ec12aec-150x113.jpg)
右を見ても崖、左を見ても崖。下をのぞくと滑落しそうです。
![尾根の目印](https://halohalohalo.org/wp-content/uploads/2024/05/c8c2d11421ff462ccc4344f0c711021e-150x113.jpg)
尾根の道標に沿って歩きます。
![切り立った崖](https://halohalohalo.org/wp-content/uploads/2024/05/7896ebf9405e0616c3ed0a05beeeb8e2-150x113.jpg)
平坦な場所も油断できません。
![山頂の羅針盤](https://halohalohalo.org/wp-content/uploads/2024/05/afcb5fde71e88e6bd4729be3b4f5c009-150x113.jpg)
ウルル山頂に到着。羅針盤が設置されています。ここは「地球のへそ」です。
![山頂から360度のパノラマ](https://halohalohalo.org/wp-content/uploads/2024/05/0db440ad11062d75275be62d3d0dc29b-300x66.jpg)
爽快!地球の原風景。360度、見渡す限り赤土の砂漠が広がります。
![下山開始](https://halohalohalo.org/wp-content/uploads/2024/05/31df67d8f76cf27567bf8ad32e63434b-150x113.jpg)
さて、下りも慎重に歩きます。
![下山の鎖場](https://halohalohalo.org/wp-content/uploads/2024/05/d20565df9d94c9f14059599881a92660-150x113.jpg)
往復2時間の登山。無事に下山できて良かった。旅の目的を達成した満足感でいっぱいです。
ウルル登山の永久禁止
そもそも先住民の間で、祭司以外はウルル登山が認められていません。オーストラリア政府のウルル観光開発も、快く思っていませんでした。
リース料と国立公園入場料の一部を受け取っていたため、観光収入が貴重な収入源である先住民にとって、容認せざるを得なかった事情があります。
![岩場のトカゲ](https://halohalohalo.org/wp-content/uploads/2024/05/fef2ede54420a2d70a70518821404d67-150x113.jpg)
先住民に所有権が返却された現在、登山禁止は当然の結果というわけです。観光客には残念ですが、仕方ないですね。
ウルル観光の楽しみ方
7色変化のウルル
![夕焼けに染まるウルル](https://halohalohalo.org/wp-content/uploads/2024/05/deaff4b4e627fc53f422acc80a6aeea7-150x113.jpg)
7色に変化する夕陽鑑賞・朝日鑑賞が最大の楽しみ。季節や天候により、刻々と色を変える一枚岩は神秘的。特に、夕陽で赤く染まるウルルは感動的です。
![ウルルのサンンセット](https://halohalohalo.org/wp-content/uploads/2024/05/d7b33bb326906aaabc079c4be4463ed8-150x113.jpg)
サンセット。世界中のツーリストが一同に集まり、立食パーティが催されます。
見渡す限りの砂漠のなか、ウルルの存在感が際立ちます。
![夕陽鑑賞](https://halohalohalo.org/wp-content/uploads/2024/05/a1bef021f2cd01b28e879752977bf17f-300x66.jpg)
夕陽鑑賞。
![朝陽鑑賞](https://halohalohalo.org/wp-content/uploads/2024/05/50f2046feda0401a59864a464998450e-300x66.jpg)
こちらは、翌日の朝陽鑑賞。逆光に浮かぶウルルも壮大です。
星空観測
![遠くに見えるカタ・ジュタ](https://halohalohalo.org/wp-content/uploads/2024/05/128b3ca81de3e7232389e5ed37b686f2-150x113.jpg)
星空観測も、素晴らしいものです。
なにしろ砂漠のど真ん中、辺りは一縷の光源も存在しません。夜空に輝く満天の星々に息をのみます。もちろん南十字星もよく見えます。
あとがき
![ホテルのプール](https://halohalohalo.org/wp-content/uploads/2024/05/5b91e191511637f2ac8bee83f58281ec-150x113.jpg)
オーストラリアは、20以上の世界遺産が登録されています。そのなか、ウルルは世界でも数少ない複合遺産。思い切ってひとり旅をして、ウルル登山に挑戦しておいて良かったと思い返しています。