
会社員で不動産投資を考えている人は多いと思います。
また、不動産融資をどこで受けることができるのか、疑問に思っている人も多いでしょう。
私は会社員の副業として、7年間の不動産投資を経てSide FIREを達成しました。
この記事は、実際にノンバンクで融資を受けた私の体験談をまとめたものです。
ノンバンクが不動産投資に有効かどうかを検証し、これから不動産投資を始める人の選択肢を示しました。
- 不動産投資を検討している人
- 融資の選択肢を知りたい人
- ノンバンクの長短を知りたい人
不動産投資でノンバンクを利用するべきか
私は、最初の収益不動産を購入した際に、三井住友トラスト・ローン&ファイナンスで融資を受けました。
不動産投資でノンバンクを利用するべきかどうか、私の回答は以下の通り。

結論として、ノンバンクはお勧めできません。
不動産投資の資金調達
初めて収益不動産を購入する場合は、現金で購入するか、金融機関で融資を受けるかのどちらかになります。
不動産融資を受けることができる金融機関について、選択肢を見ていきます。
ここでは、身内から資金調達する場合や、地主が土地に建物を建築する場合を除きます。
都市銀行
都市銀行は、普通銀行として東京や大阪などの大都市に本店を構え、広域展開している銀行です。
個人の投資初心者が、都市銀行で融資を受けることは100%無理です。
都市銀行各行は法人営業に鎬を削っており、個人営業部門は支店の統廃合により、あらゆるサービスがリモート化されようとしています。
特に3大メガバンク(MUFG、SMFG、みずほ)で融資を受けることは不可能です。
地方銀行
地方銀行は、一般社団法人全国地方銀行協会の会員である銀行です。
スルガ銀行の不正融資問題が公になって以降、個人の投資家には門戸が閉じた印象です。
金融庁の規制が厳しくなり、実績のある投資家でも物件価額の80%以内でないと追加融資が受けられないと聞きます。
投資初心者には、かなりの好条件が揃わないと新規融資は難しいでしょう。
信用金庫
信用金庫は、特定の地域で居住・就労する人々による協同組織です。
利用者・会員同士の互助であり、地域密着のサービスを行うことで、地域に貢献することを重視しています。
融資の対象は、信用金庫の営業エリアに居住・就労する人々で、従業員300人以下または資本金9億円以下の事業者と定められています。
こちらも地方銀行同様に、個人の投資初心者には門戸が狭くなった印象です。
然しながら、物件の担保価値次第では、投資初心者でも融資の可能性があります。
信用組合
信用組合も、特定の地域で居住・就労する人々による組織です。
信用金庫との違いは、中小企業向けの金融機関として更に規模が小さく、より組合員の互助を重視した金融機関です。
融資の対象は、組合の指定する地域に居住・就労する人々で、従業員300人以下または資本金3億円以下の事業者と定められています。
- 卸売業 100人または1億円
- 小売業 50人または5千万円
- サービス業 100人または5千万円
こちらは、組合の指定地域にお住まいで、指定地域の物件であれば融資の対象になります。
但し、投資初心者には融資条件が厳しくなる点は上記と同様です。
日本政策金融公庫
株式会社日本政策金融公庫は、財務省所管の特殊会社で、日本に5つある政策金融機関の1つです。
国内金融業務は以下の事業に分かれています。
- 国民生活事業 – 国民一般の資金調達支援
- 中小企業事業 – 中小企業の資金調達支援、信用保証制度
- 農林水産事業 – 農林水産事業者の資金調達支援
注意点として、不動産投資は、融資の対象外である点です。
あくまでも、不動産事業を生業としていることが融資の条件となります。
不動産事業が事業的規模(5棟10室以上)に達していなくとも、今後あるいは既に不動産事業を経営していると見做されることが重要です。
更に、土地・建物の購入金額は、融資の対象外である点です。
こちらも事業の運営資金として、土地・建物の取得金額も含んだ事業計画と融資交渉が必要となります。
審査の基準は各支店により微妙に違いがあるようですから、これから融資を検討されている方は、事業計画書を作成して訪問してみるとよいでしょう。
私は、日本政策金融公庫で根抵当権(※1)による極度額を設けて有効活用しています。
(※1)根抵当権は、金融機関が不動産を担保に、貸出上限額(極度額)を設定します。
極度額の範囲内で繰り返し借入れや返済を行うことができ、借入れの度に登記せずに済むので、使い勝手のよい仕組みです。

日本政策金融公庫は、個人に優しい金融機関です。
ノンバンク
ノンバンクは、銀行・信用金庫・信用組合・農協・労金などの金融機関以外で、貸金業務を営む金融会社の総称です。
預貯金の預け入れや為替の機能を持たず、貸し出し(与信)等を行う形態で、貸金業法に基づく登録制で開業できる金融会社です。
三井住友トラスト・ローン&ファイナンスも、ノンバンクのひとつです。
金融機関の種類
- クレジットカード会社
- 信販会社
- 消費者金融
- 住宅金融専門会社
- 事業金融会社
- リース会社など
ノンバンクの特色
▶顧客向け融資にあたり、貸付原資の資金調達を、銀行等からの借入金や債券等の証券発行によって賄っており、銀行に比べて資金調達コストが高くなります。よって、貸出金利も銀行に比べて高くなる傾向にあります。
▶個人向けノンバンクが提供するカードローンやキャッシングなども、銀行の提供する同種商品より金利が高い傾向にあります。その一方で、融資審査のスピードが早い、営業時間が長いなど、利便性が高い点も特色です。消費者金融会社では、ATMを設置することで、土日祝日も営業している場合が多いです。
▶個人向けノンバンクは、貸金業法の「総量規制」の対象となっており、借り過ぎや貸し過ぎを防ぐために、本人に安定した収入がなければ利用できません。また、借入れ限度額も、銀行に比べて少なくなる傾向にあります。

三井住友トラストL&Fで、4本の融資を受け繰上完済しました。
ノンバンクには長所と短所があります。
ノンバンクで融資を受けるメリット

審査が早い
融資申し込みから、仮審査の結果まで非常に早いです。
HPでは、仮審査結果まで2営業日~10営業日とありますが、実質3日程度の感覚です。
信用金庫では、不動産謄本の確認から現地調査まで3週間程度は必要です。
会社員としての属性審査、信用情報機関のチェック、物件の路線価を調査している程度ではないかと訝ってしまいます。
会社員にも不動産投資のチャンスがある
銀行や信用金庫が事業の健全性や財務内容の調査に重点を置いている点に対して、ノンバンクは貸金の手段として不動産担保融資を位置付けている印象です。
会社員として属性に問題が無く、不動産に担保価値があれば、初心者にも窓口が開いています。
融資期間が長い
融資期間を長く設定できます。
HP上では、融資期間1年~35年以内となっています。
銀行や信用金庫では、法定耐用年数(鉄筋47年、木造22年など)以内、耐用年数を超過した物件は最長10年程度が融資期間の限界です。
一方、ノンバンクでは、耐用年数に関係なくローン返済に支障が無いキャッシュフローが出れば、融資期間に上限が無いようです。
私も最初に、耐用年数を大幅に超える25年返済の融資を受けました。

最大のメリットは、審査が早いことです!
ノンバンクで融資を受けるデメリット
抵当権
原則として、不動産に第一順位の抵当権(※2)が必須です。
私の場合は、更に自己名義の自宅も共同担保(※3)に入れる必要がありました。
三井住友トラスト・ローン&ファイナンスで、4本の融資を受けましたが、何れも自宅を抵当権設定しました。
銀行や信用金庫では、自宅を抵当に入れるケースは稀だと思います。
(※2)抵当権とは、債権を保全するために、債務者が、その所有する不動産に設定する担保権のこと。 債権が弁済されない場合には、債権者は抵当権に基づいて、担保である不動産を競売に付して、その競売の代金を自己の債権の弁済に充てることができる。
(※3)共同担保(共担)とは、債権(借金)の担保として、複数の土地建物に対して担保(抵当権)を設定すること。
質権
抵当建物の火災保険金請求権等に、質権(※4)を設定する必要があります。
要するに、火災保険金を請求できる権利も抵当に入れるということです。
銀行や信用金庫において、質権設定は稀だと思います。
(※4)質権とは、債権を保全するために、債権者が債務者から物を受け取って占有し、債務が弁済されなかったときにはその物を売却して、その売却価額から債権の弁済を受けることができる担保物件のこと。
金利が高い
ノンバンク最大のデメリットは、金利が高いことです。
三井住友トラスト・ローン&ファイナンスの変動金利を例に取ると、実質年率2.99%~6.40%とあります[短期プライムレート年率1.475%+1.515%~4.925%(2023年3月現在)]
銀行や信用金庫の金利に比べて、2~5倍程度の高金利です。
これが、何十年という長期ローンになると、元本返済金額より金利が上回ることになります。
更に、いずれデッドクロス(借入金の元本返済額が減価償却費を上回る状態)の時期が到来しますので、キャッシュフローも大幅に悪化することになります。
融資に最低金額がある
ノンバンクでは、最低融資金額が設定されています。
概ね1,000万円以上の融資案件でないと取り扱って貰えません。
要するに、少額の融資には応じないというわけです。
私は、築古の戸建てを購入する機会が多く、1戸が最下限の1,000万円に満たないため、2戸纏めて合計1,000万円超の融資を受けたことがあります。
融資4本のうち1本は、物件2戸を絡めた複雑な担保設定をしました。
面談
金銭消費貸借契約とは別に、融資の前に面談があります。
面談では、なぜ不動産投資をするのか、動機や将来の展望・事業計画について聴取されます。
ノンバンクは、政令都市の一部にしか本支店が無い場合も多く、地方の方にとっては往訪面談が負担になることもあるでしょう。
連帯保証人
公正証書の法的な手間を省くために、連帯保証人を原則不要とする金融機関が増えました。
掲題社では、妻が連帯保証人となり、妻も一緒に面談を受けました。
融資手数料
融資を実行する際に、元金の2%~3%程度の事務手数料が発生します。
銀行や信用金庫の融資実行に、事務手数料は不要です(証貸の収入印紙は必要です)
解約違約金
繰上げ返済する際に、残金の2%~3%程度の解約違約金が発生します。
私の場合は、4本の融資を全額繰上完済したため、かなり高額の違約金を支払いました。

最大のデメリットは、金利が高いことです!
まとめ
不動産投資でノンバンクを利用するメリットとデメリットについて解説しました。
ノンバンクで融資を受けることには、一長一短があります。
結論は以下の通り。
これから不動産投資を始める人は、先ず小規模不動産を現金購入し、 低金利融資を受けられるまで、不動産経営の実績を積み上げるのが得策です。
最後に、「もう一度ノンバンクで融資を受けるか否か」質問されれば、答えはNo!です。
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