
先日、10年来懇意にしている職人さんと、食事をする機会があった。初めて年齢を聞いてみると66歳だという。自分と同年代だと思っていたので、とても驚いた。体力とセンスを兼ね備え、酷暑のなかで働く姿に尊敬の念を覚える。あと4〜5年は働けそうだという。
また、マンションの管理人と会話をしていて、やはり年齢を聞くと75歳とのこと。来年以降も契約更新を希望している。理由を聞いてみると、ずっと社会と関わっていたいからだそうだ。
54歳で社会からドロップアウトした自分が恥ずかしくなった。そういう私のもっぱらの関心事は、年金を何歳からもらうかである。
年金を繰上受給している人口
「60歳で年金を繰上げ受給するメリットと損益分岐点」の記事でも触れたが、65歳より早く繰上げ受給すると、メリットとデメリットの両側面がある。早死にすることが分かっていれば、間違いなく繰上げ受給するのだが、こればかりは誰も知りえない。
ちなみに、世の中には繰上げ受給する人がこんなにたくさんいる。
60歳~64歳 | 受給権者数 | 受給者 |
---|---|---|
厚生年金 | 約900万人 | 26万人(0.9%) |
国民年金 | 約600万人 | 146万人(24.5%) |
年金制度の今後の見通し
年金繰上受給の制度は、法律の附則(いわゆる「当分の間」措置)に位置づけられた臨時的な仕組みであり、将来的に見直されても不思議ではない。政策提言レベルでは「65歳までの就労が定着した時点では、繰り上げ受給制度の廃止も検討すべき」と提言されている。
むしろ支給開始年齢を「少なくとも67歳」まで引き上げる方向で検討を始めるべきとの意見も出された。
政策 | 現状と見通し |
---|---|
繰上受給制度 | 現行では選択可能。法的位置付けは附則で「当分の間」とされており、将来的に廃止対象になる可能性あり。 |
公的支給開始年齢 | 男性は2025年、女性は2030年までに65歳への段階的引上げ。 |
65歳以上への引き上げ | 政策提言あり(例:67歳以上まで引上げ検討)、政府発表はない。 |
現段階での結論 | 2025年8月時点で具体的な廃止・引上げの法改正はない。今後も制度維持の可能性は高いが、制度見直しは注視が必要。 |
あとがき
このように、繰上げ受給するかどうか悩めるのも今だけかもしれない。
ちなみに受給開始を繰下げている間に死亡すると大損だ。遺族年金は増額されることなく、65歳に遡って計算される。本人が年金をもらい損ねるだけでなく、遺族にとっても何のメリットもない。
必ず儲かる投資の話しが転がっていれば、繰上げ受給して全額ベットするんだけどなぁ…