京都市に4年間暮らしたことがある。
田舎者の私が「大文字焼き」の話をしたら、
生粋の京都人に訂正された。
正式には「五山の送り火」という。
田舎では、大文字焼きと呼んでいたが、どうやら失礼にあたるらしい。
五山の送り火は、お盆に迎えた精霊を送る神聖な儀式なのである。
今回、大文字の火床を見るために、大文字山に登ってみた。
ビギナーにおすすめの低山ハイク。
道中、南禅寺の水路閣も見所のひとつなので楽しみだ。
蹴上起点の縦走コース
蹴上を起点に、銀閣寺が終点の人気コースを歩いた。
大文字山は、466mの低山。
南禅寺で観光したので、実質3時間のトレッキングだった。
京都市営地下鉄「蹴上駅」で下車。
地上に出ると、国道を北上する。
ねじりまんぽ
すぐに、ねじりまんぽの入り口が見えてくる。
ねじりまんぽは、明治時代に造られた蹴上インクラインを横断するためのトンネル。蹴上インクラインは、上流の蹴上船溜と、下流の南禅寺船溜を結んだ全長582mの傾斜鉄道。
レンガが、らせん状に積まれている。
めずらしい積み方だが、強度が高まるそうだ。
トンネルを抜けると、そこは南禅寺の境内。
南禅寺は、全国の禅寺で最も高い格式を持つ。
石川五右衛門が、三門から京都市を眺めて言った。「絶景かな絶景かな」
法堂を曲がると、水路閣が見えてくる。
水路閣
水路閣は、明治に竣工した琵琶湖の疏水をひく水路。
まるで、古代ローマの水道橋みたいだ。
レンガのアーチが美しい。
水路閣の上は、今も水が流れている。
水路閣から登山道が始まる。
登山道は整備され、小学生の遠足も多い。
ところどころ、大木が倒れていた。
京都1周トレイルの標識。
京都一周トレイルは、東山~北山~西山を縦走する全長約84Kmのコースと、京北地域をめぐる全長約49Kmのコース。京都の魅力を観光しながら、登山を楽しめる。
山頂までもうすぐ。
三角点466m。
山頂では、多くの人が休憩していた。
京都市内を一望。
真ん中に見えるのは、京都タワー。
昼食に、うぐいす豆パンとおにぎりを食べた。
山頂で食べるご飯はおいしい。
金尾の火床
山頂から下り始めると、すぐに大文字の火床が見えてくる。
中心の火床がこれ。金尾の火床。
右大文字の火床は、如意ヶ嶽の支峰・大文字山にある。合計75箇所。金尾の火床が大の字の中心。
火床が山の斜面にそって、段々に並んでいる。
なかなか見れない光景に満足だ。
さて、銀閣寺の登山口まで降りてきた。
下山は、あっという間。
銀閣寺の入口。
外国人観光客でいっぱいだった。
あとがき
今回紹介したルートは、大文字山登山と南禅寺を巡るトレッキングコース。
南禅寺を観光せず、蹴上インクラインを歩くルートも人気だ。
登山の道中、幼い子供達にもすれ違った。
簡易な装備で挑戦できる、初心者におすすめのルート。
ただし、登山の途中でトイレは無いので注意しよう。