
ピーター・F・ドラッカー(Peter F.Drucker、1909-2005)は、マネジメントの父。
オーストリア・ハンガリー帝国ウィーンで、ドイツ系ユダヤ人の裕福な家庭に生まれました。
ビジネス界に大きな影響を与えただけでなく、彼の未来予測はことごとく的中し、まるで預言者のように信棒されている側面もあります。
1世紀前の生誕でありながら、いまだに著書が書店の最前列に並んでいるのは驚きですね。
今回は、現代の社会人にも通じる彼の格言10選を紹介します。
明日は必ず来る。そして明日は今日とは違う。
明日は必ず来る。そして明日は今日とは違う。
Tomorrow always arrives. It is always different.
今日の最強企業といえども、未来に対する働きかけを怠れば苦境に陥る。
個性を失いリーダーシップを失う。
残るものといえば、大企業特有の膨大な間接費だけである。
「風と共に去りぬ」のセリフ「明日は明日の風が吹く」とは、ニュアンスが違います。
Tomorrow is another days.
先のことを心配しても仕方がない。成りゆきに任せて生きて行こう。
何によって人に憶えられたいか。
何によって人に憶えられたいか。
What do you want to be remembered for ?
ドラッカーは、子供の頃に先生から質問されたそうです。
『何によって人に憶えられたいか?』
答えられる生徒はいませんでしたが、先生はさらにこう言いました。
『いま答えられるとは思っていない。
でも、50歳になって答えられないと問題だよ。
人生を無駄に過ごしたことになるからね。』
私自身、慚愧に堪えない質問です。
自分のことを覚えてくれている他人がいるのか心配になります。
時間からスタートする。
成果をあげる者は、時間からスタートする。
They start with their time.
仕事からスタートするのではなく、計画からスタートするのでもない。
「何に時間を取られているか」を明らかにすることからスタートする。
次に、時間を管理するべく、時間を奪おうとする非生産的な要求を退ける。
自分を使って何をしたいか。
何をしたらよいかではなく、自分を使って何をしたいか。
“What shall I do with myself ?” rather than “What shall I do ?”
問題は、何をしたらよいかではなく、自分を使って何をしたいのかである。
ついでに、アニメ「リコリス・リコイル」のシーンから。
命を救われたヒロインが「何しようか。これから…」と自問します。
相棒が「諦めていたことから、始めてみてはどうですか?」と応えます。
最高のキャリアをつかむ。
最高のキャリアは、計画して手にできるものではない。
Successful careers are not planned.
最高のキャリアは、計画して手にできるものではない。
自らの強み、仕事の仕方、価値観を知り、機会をつかむ用意をした者だけが手にできる。
自らを知ることによって、有能なだけの者から、卓越した仕事ができる者になる。
出世はたいした問題ではない。
出世は、たいした問題ではない。
Promotion itself is not the important thing.
組織が腐っているとき、あるいは成果が認められないとき、辞めることが正しい選択である。
出世は、たいした問題ではない。
予期せぬ成功を追究する。
予期せぬ成功を追究する。
The most effective road to self-renewal is to look for the unexpected success and run with it.
自らの成長につながる効果的な方法は、自らの予期せぬ成功を見つけ、その予期せぬ成功を追究することである。
ところが、ほとんどの人が問題にばかり気をとられ、成功の証をおろそかにする。
心地よくなったら変化を求める。
心地よくなったら変化を求める。
When you begin to fall into pleasant routine,it is time to force yourself to do something different.
日常化した毎日が心地良くなったときこそ、違ったことを行うよう自らを駆り立てる必要がある。
第二の人生に備える。
第二の人生に備える。
There is one requirement for managing the second haif of one’s life :to begin creating it long before one enters it.
第二の人生を送るには、ひとつだけ条件がある。
本格的に踏み切るかなり前から、助走していなければならない。
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明日のために今日何をなすべきか。
明日のために今日何をなすべきか。
What do we have to do today to be ready for an uncertain tomorrow?
意思決定の問題は、明日何をなすかではない。
不確実な明日のために、今日何をなすべきかである。
物事をすぐにやらず、先延ばしにする人の末路は、次の記事で紹介しています。
※出典:マネジメント、日本成功の代償、すでに起こった未来、イノベーションと企業家精神、経営論集、明日を支配するもの、ネクストソサエティ、ドラッカー名言集。
あとがき
ドラッカーの生前、日本経済新聞「私の履歴書」にも連載されました。
日本びいきだった彼のファンも多いことでしょう。
彼は日本好きだったがゆえに、日本の将来についても落胆していました。
20年前の著書「ネクスト・ソサエティ」では、IT社会の到来、雇用の変貌、ビジネスチャンスと社会問題について、既に警鐘を鳴らしていました。
20年後の現在に読むからこそ、その慧眼には感服するばかりです。
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