世界の年齢中央値は、30.9歳
日本の年齢中央値は、48.4歳。
日本人の平均寿命は、男性81.09歳、女性87.14歳。
もちろん世界一。
70年間で、平均寿命が20歳も伸びているそうだ。
日本は、世界一高齢化が進んだ国になってしまった。
いったい誰が、長寿の国にしてしまったのだろうか?
どうせ死ぬのに、なぜ生きるのか
雑誌の特集記事がおもしろかった。
「どうせ死ぬのに、なぜ生きるのか」
そもそも生物に、”生きる”という目的はない。
人間は、死を最も恐れる生物だからこそ、ヒトは繁栄したらしい。
私のように50年以上生きていると、死を意識しはじめる。
白髪やシワが増え、体がうまく動かず、絶えずどこかが痛む。
結論は、生きることにも、死ぬことにも、たいした意味はないらしい。
死を前向きにとらえて、今を精一杯生きるしかないようだ。
救いは、人間が85歳以上になると、死を恐れなくなるようにできていること。
専門用語で「老齢的超越」というらしい。
本当かな…
日本人は、それで幸せになれたのだろうか?
日本の幸福度
日本の幸福度ランキングは、世界全体の54位。
先進国では最も低く、お金を手に入れても幸福を感じることができない国民だ。
特に、他者への寛容性が著しく劣る日本人。
寛容性とは、「正当な目的のために寄付をする」「見知らぬ人を助ける」「ボランティアに参加する」というような慈悲の心。
「慈悲の心」とは、自分に親しい人だけでなく、すべての人の苦しみを自らの苦しみとして理解し、その苦しみを癒すもの。救うものと救われるものに上下関係はないという意味の仏教用語。
私利私欲を膨らませるための政治献金などは、積極的に行う日本人。
その反面、被災地を見ても、可哀そうと思うだけで行動が伴わない。
本来のヒトの寿命は55歳
本来、ヒトの寿命は55歳前後だったようだ。
その証拠が3つ。
①ゴリラやチンパンジーの寿命は40年~50年
人間は、ゴリラやチンパンジーとよく似ている。ゲノムが、人と99%も同じなのだ。
②心臓の拍動は約20億回
哺乳類の心臓には、寿命がある。拍動回数の限界と1回あたりの拍動時間を計算すると、約50年前後になる。
③細胞の劣化
ヒトの細胞の分裂は、約50回が限界。どんなに長く生きても、115歳が限界のようだ。人類の有史以来、115歳を超えた人は70人程度しか存在しない。
誰が長寿にしてしまったのか
それでは、いったい誰が人類を長寿にしてしまったのか?日本人は幸福感も味わえないというのに。
①人類が老後を生きる選択をした
ひとつの推論が「人類が”老後”を生きると選択した」から。
そもそも老後のある生物は少ない。
チンパンジーの寿命は50年だが、死ぬ直前まで生殖が可能。人間の女性は、50歳前後で閉経をむかえても、30年以上生きる道を選んだ。
チンパンジーの赤ちゃんは、母親の体毛にしがみついて移動する。ヒトは進化で体毛を無くし、シニアが赤ちゃんを世話するようになった過程があるらしい。
おじいちゃん、おばあちゃんがいなければ、育児ができなかったようだ。
②本能的な健康志向
健康をテーマにしたTV番組の視聴率が高いのは、人間の本能なのだろう。
がんや高血圧の予防に〇〇がいい!
なんてバラエティ番組を見た翌日には、スーパーから〇〇が売り切れる。
どうせ忘れて長続きしないのに、我先にとスーパーに駆け込む。
日本人は、特に長寿意識の強い民族なのだろう。
とはいえ、長寿を手放しで喜べないのも確かだ。
とりわけ困るのは若い世代だろう。育児にシニアが必要だといっても、そのシニアを背負うのも若い世代だ。
4205年に、日本人は滅亡するという記事を書いた。育児どころか、ひとりのライフスタイルが定着してしまった。
もし、平均寿命が伸びていなければ、日本の人口が減少することもなかったのだろうか?
長生きすると、お金と健康の心配も増してくる。とても複雑な問題だと思う。
あとがき
生きていても仕方がない…
そう思いながら生きながらえるのは、悲しくて身も蓋もない。
最後に、日本人の幸福度は、年齢とともに上がることを付け加えておく。
幸福を感じる人は、20代で最低の22.7%だが、年齢に比例して伸びていき、70代で49.0%に達する。
できれば、その49.0%の仲間になりたいものだ。