大台ケ原は、関西エリアで数少ない日本百名山のひとつ。奈良県と三重県の県境に位置する山岳地帯です。
ビジターセンター駐車場は、早朝6時には満車になるとの口コミが多いため、前日から車中泊することにしました。
11月3連休の紅葉シーズンに訪れたため、夜9時には駐車場200台の半分が埋まっている状態。翌日お昼過ぎには、駐車場に入れなかった車が、峠道の路肩に1km以上連なる混雑ぶりでした。
この記事は、ビジターセンター駐車場で車中泊する人に書いたものです。
大台ヶ原ビジターセンター
大台ヶ原の最高峰「日出ヶ岳」は、標高1,695mの山で、関西エリアでも特に美しい日の出と展望が楽しめる場所として知られています。
天候が良ければ遠くに太平洋を望むことができ、紀伊半島の山々や壮大な自然が広がる景色を眺めることができます。特に日の出には幻想的な雲海が現れることがあり、満天の夜空には天の川銀河を観測することもできます。
大台ヶ原ビジターセンター駐車場は、収容台数200台で無料です。しかし、紅葉の見頃を迎える10月中旬から11月初旬にかけて非常に混雑し、週末や天気が良い日は、早朝から満車になります。
私は、夜の9時頃に到着しましたが、すでに駐車場の半分ぐらいが埋まっていました。これは、登山客だけでなく、天体観測をしている人も多いからです。翌朝6時頃には、まだ40台ほどの空きがありました。しかし、正午を過ぎる頃には、駐車場に入りきれず峠道に路上駐車する車であふれかえります。
トイレは2箇所。駐車場入口と奥のビジターセンター横にあります。車中泊するなら、奥のトイレ近くをおすすめします。清潔に保たれており、洋式と和式があります。ウォッシュレットはありませんが、トイレットペーパーが備え付けてあります。
トイレの建物は人体感知式で、深夜に人通りが絶えると真っ暗闇になります。ヘッドライトか懐中電灯があると便利でしょう。
駐車場の標高は1,570mもあるため、車中泊でも防寒対策は必須。訪れた当日は、気温8℃まで下がりました。
ビジターセンターには、上北山村物産店が併設されており、営業時間は9時から16時まで。
物産展で、モンベル用品や大台ケ原限定グッズを入手することもできます。上級者向けの西大台コース登山は、ガイドの同伴が必要なのですが、物産展で申し込みを受け付けていました。
レストランが営業しているのも嬉しいポイント。駐車場から40km周辺には、コンビニも飲食店もありません。軽食を食べられるのは助かります。肉うどん700円、キツネうどん600円でした。
モンベル会員であれば、350円のコーヒーが、割引価格100円で飲めましたよ。
大台ケ原登山
大台ケ原は、日本百名山のひとつ。山頂付近は台地状になっており、登山道が整備されているので、コースに応じて初心者から上級者まで楽しめます。
春には新緑、夏には深い緑、秋には紅葉、冬には雪景色と、四季ごとに異なる絶景が広がります。
登山コース
大台ケ原の登山は「東大台コース」と「西大台コース」の2つが主流で、それぞれ異なる特徴を持っています。なお、山頂にも登山道にもトイレはありませんので、ビジターセンターで済ましておきましょう。
1. 東大台コース
東大台コースは、登山初心者でも楽しめるポピュラーなコースです。要所をめぐって周遊するコースは、全長約9km、所要時間3〜4時間程度。以下のポイントが見どころです。
• 日出ヶ岳
大台ケ原の最高峰で、絶景の展望が楽しめます。ビジターセンターから約2km、ゆっくり歩いて約40分。早朝に訪れると、幻想的な日の出や雲海を期待できます。しかし、年間を通して雨量が多い地域でもあり、ガスが発生していることも覚悟しておきましょう。
• 大蛇嵓
大蛇嵓は、大台ケ原最大の見どころで、関西屈指の景勝地です。険しい断崖から広がる山々や渓谷、そして紀伊半島の壮大な絶景を望めます。
蛇のように曲がりくねった岩肌や急峻な地形が特徴で、秋には紅葉が美しく染まり、シーズン中は多くの観光客でにぎわいます。ただし、大蛇嵓は非常に高所で、崖が急なため、立ち入りには充分な注意が必要です。
• 正木ヶ原
樹齢数百年の立ち枯れたトウヒやシラビソが並ぶ原生林で、独特の神秘的な風景が広がります。整備された遊歩道は歩きやすく、気軽に景色を楽しむことができます。
2. 西大台コース
西大台コースは、自然環境保護のために入山の人数制限がされているエリアで、事前予約とガイドの同伴が必要です。西日本有数のブナの自然林が残されており、日本で最初の「利用調整区域」に指定されました。
全長約7km、所要時間は3〜4時間程度。手つかずの自然が残っており、豊かな生態系に生息する動物や希少な植物が見られる可能性もあります。立ち入り希望者は、事前予約のうえ、ビジターセンターでレクチャーを受講してください。
大台ヶ原アクセスの注意点
南阪奈道路経由、大和高田バイパスの橿原から地道を70km。橿原付近には、大きなスーパーやコンビニが充実しています。
しかし、ビジターセンター40km手前からは、道の駅が閉店しており、コンビニも飲食店もありません。20km手前からは、車がすれ違うのがやっとの細い峠道になります。
駐車場に自販機はありますが、食料は事前に準備しておきましょう。
また、大台ケ原は年間を通して雨や霧が多く、天候が変わりやすい山域。冬季は、道路が閉鎖されるため、事前に確認しておきましょう。
混雑を避けるために公共交通機関の利用も検討するとよいでしょう。奈良交通が、近鉄大和八木駅や橿原神宮前駅からバスを運行しています。しかし、バスの本数が極めて少なく、所要時間3時間、値段も片道3,100円と高額なことが難点です。
あとがき
当日は、早朝からガスが充満し、残念ながら山頂からは何も見えませんでした。
ただ、深夜の静寂のなかに浮かぶ天の川銀河は、引き込まれそうなほど美しいものでした。
山頂からの景色は、次の機会にリベンジしたいと思います。